繁忙期を過ぎると余裕が生まれ、しばしばその反省を忘れがちになりますが、忙しかった時の非効率的なオペレーションをそのままにしてはいけません。

「忙しい」という字は、「心を亡くす」と書くことから、人は忙しさの中で他人を想いやる心を忘れがちです。
この状態は、患者さんへの対応の質の低下や、スタッフ間の関係悪化につながりかねません。

次の繁忙期こそは余裕を持って診療を行えるよう、閑散期など比較的落ち着いている時期に繁忙期の反省点を振り返り、原因を突き止め、解決策を検討することが重要です。

<繁忙期オペレーション改善のステップ>

  • 繁忙期の反省点をスタッフ全員で挙げてもらう
  • 問題毎に起こった原因を突きとめる
  • 原因の解決策を考える
  • 改善計画を立てる
  • 進捗確認とオペレーション変更による問題が起きてないか確認する

繁忙期に慌ただしくなる要因として、院長先生や特定のスタッフに業務の偏りがあったり、特定の人しか対応できないということがあります。
そのため、繁忙期になると特定の人に業務負担が集中し、全体が上手く機能しない状態になります。

 

これらを解決するためには、まず院長先生の診療負担を軽減するための措置が必要です。
例えば、シュライバーの導入や、診察後の説明を看護師に委ねるなどが効果的です。
また、新人スタッフの教育計画を立て、誰でも同様に業務を遂行できる体制を構築することも重要です。

繁忙期の適切な体制を確立するためには、スタッフの作業棚卸を行い、各スタッフができる作業とできない作業を明確にし、院長先生や先輩スタッフがこれを共有できるようにすることが必要です。

さらに、人手不足が原因である場合は、採用を強化する施策を策定する必要があります。
例えば、繁忙期のみ人手が不足する場合は、臨時のパートやアルバイトを採用する計画を立てることが一つの解決策です。

 

繁忙期は新規患者を獲得し、リピーターを増やす絶好の機会です。
しかし、忙しさにかまけて患者さんへの対応が悪くなったり、待ち時間が長くなってしまうと、患者さんは不満を感じ、次回から他の医院を選ぶ可能性があります。
したがって、今年の反省点を活かし、来年のオペレーションを見直すことで、より良いサービスの提供が可能になるでしょう。