ただし、新型コロナ感染拡大以降急性疾患に頼る耳鼻科経営は風任せの経営になりつつあり、安定経営を目指す上で慢性疾患を診ることや専門性を持った治療確立の必要性に迫られています。
今回はめまい外来開設に向けて基本的な部分をお伝えします。先述した「めまい診療に苦手意識をもつ院長先生」が成功した事例の一部をご紹介いたしますので、ぜひご参考いただけますと幸いです。

マーケティング

・めまいページ作成
まず自院のHPにめまいを紹介するページはありますか?
「めまい+(エリア名)」で検索した際にめまいについて記載のあるページが1枚あるかどうかで大きく検索順位に差が出ます。めまいのページはあるが他の耳の疾患と同じページに記載されている、めまい治療を行っていることのみ記載があるなどの場合は1ページ1000~1500文字程度のめまいに関するページを作成し、めまい診療を求める患者さんに自院を知ってもらうことからはじめましょう。

・専門サイト作成
めまいページが軌道に乗り始めたら、より専門的な専門サイトを作成しましょう。
良性発作性頭位眩暈症やメニエール等の疾患名ごとに1ページずつ作成し、合計10ページほどめまいに特化したページを作成します。検索順位への影響だけでなく、患者さんにこのクリニックはめまい診療に注力していると感じてもらうことができ来院動機につながります。専門サイトがあることでより広い診療圏の患者さんに来院いただけることが期待できます。

・めまい外来の院内告知
めまいを耳鼻咽喉科で診察してもらえると知らない患者さんは思ったよりもいます。院内マーケティングとしてポスター掲示、医院案内への明記、LINEでの発信などを行うようにしましょう。

オペレーション

・WEB問診
めまい診療に問診は不可欠ですが、診察室内での問診に時間をかけると他の患者さんへの影響が大きくなります。そのような場合はWEB問診の活用が効果的です。ある程度詳細に問診を行うことができる上、回答によって問診内容を分岐させることもシステム上可能であるため患者さんの負担も少なく事前に多くの情報を知ることができます。

・時間予約制
可能であれば専門外来は時間予約制での実施が患者さんの満足度UPと通院回数維持(離脱の防止)になります。実施には、一般外来の患者さんをどうするか?何曜日に行うか?1患者当たりどの程度時間をかけるか?収益は担保できるのか?人員配置の問題など様々な問題に対して工夫が必要となりますが、その障壁をクリアすることで自院のブランディングにもつながっていきます。

・検査体制
検査をある程度(医師の管理のもと)スタッフさんで実施することができれば効率化にもつながり、診断や治療計画の説明に時間を割くことができます。また、しっかり検査をしてもらえた方がめまい患者さんにとっては安心感や満足感につながる傾向にあります。

・治療の選択肢の豊富さ
検査の充実の他に、患者さんに対しての提案に幅があることも重要です。連携病院への紹介、MRIのご案内、漢方の提案、点滴治療、理学療法の実施などが考えられます。「よくならなかったらまた相談してください」や「なかなか原因がわからず難しいですね」と医師に言われてしまい、ここでは良くならないから他のクリニックへ行こうと思われてしまうのではなく、色々自身にあった提案をくれると感じてもらえることで再診率UPや満足度UPにつながります。

患者満足度向上

・オリジナル小冊子
時間予約で実施していてもなお、中には沢山お話したい患者さんがいたり、先生ご自身が説明しきれない部分が多いと思います。その際はオリジナル小冊子を作成し、「ここを読んでおいてくださいね」という形で患者さんにお渡しすることで説明時間の短縮と理解の向上につながります。
リハビリ指導を行っている場合は、やり方を図解で小冊子に盛り込むことで、帰宅後の実施率向上や、再診時に「うまくできなかった」というコメントが少なくなることも期待できます。

・アフターカウンセリング
初診の際の決まった説明や、時間が足りない患者さんに対してスタッフによるアフターカウンセリングが実施できればより満足度向上と医師の診察効率UPが同時に期待できます。疾患に応じた数パターンの台本を作成しておくことが必要になります。

めまいの治療について深化することも重要ですが、患者目線に立って嬉しいこと、安心できることを増やすこと、自院がめまい診療を行っているということを患者さん知らせることで多くのめまいでお困りの患者さんに貢献できます。院長先生が現状できる最大限のめまい治療を仕組化することで多くの満足を生むことができる事例です。
より詳しくお知りになりたい場合は是非弊社までご相談ください。