つまり日本における現金の利用率はどんどん減っている状況にあります。
キャッシュレス決済方法別で見れば、クレジットカードの比率は約20%、電子マネーの比率は約2%となっており、まだクレジットカード比率が高い現状です。

世代別の利用状況を見た場合、総務省の家計消費状況調査によれば、クレジットカードの保有率は
20代で約70%
30代で約80%
40代で約85%
50代で約87%
60代で約90%
年代が上がるにつれ保有率は高くなります。

そして電子マネーの利用率はスマホ決済にはなりますが、
20代で約45%
30代で約40%
40代で約35%
50代で約30%
60代で約20%
年代が上がるにつれて利用率は下がります。
※クレジットカードに関する総合調査より(JCB)

つまり若者においてはクレジットカードを所有する人は減り、電子マネーを利用する人が増えている傾向があります。

また2016年経済産業省の報告によると各国のキャッシュレス決済利用率は
韓国で96.4%
イギリスで68.6%
中国で65.8%
日本で19.9%
となっています。

今後はこの数字よりも更に増えているでしょう。

つまり、世界に目を向けるとまだまだ日本はキャッシュレス決済後進国となります。
また令和元年の閣議決定では、2025年6月までにキャッシュレス決済比率を倍増し4割程度を目指すと公表しており、キャッシュレス決済の比率は将来的に高まっていく可能性が高いと考えられます。

それではこのような状況の中でクリニックでのキャッシュレス決済利用の状況はどのようになっているのでしょうか?

キャッシュレス決済を利用したことがある場所を調査した会社によると、(※株式会社インフキュリオン)2020年決済動向調査報告以下のような結果が出ています。

<スーパー・食料品店で利用したことがある人>
クレジットカード57%
電子マネー41%

<レストラン・喫茶店で利用したことがある人>
クレジットカード41%
電子マネー14%

<病院・クリニックで利用したことがある人>
クレジットカード26%
電子マネー2%

スーパーや飲食店にて利用率が高いことは想像しやすいかと思いますが、病院やクリニックにおいてはまだまだ利用率が低い現状です。
さらにクリニックではキャッシュレス決済の導入をしていない所も多く、耳鼻科で利用できるイメージを持っていない患者さんが多いことも使用率が低い要因としてあるかと思います。

キャッシュレス決済がクリニックで普及していない要因は様々あり一般的には以下のような要因が代表的かと思います。

・飲食店や小売店と異なり利便性が上がったからといって増患には繋がりにくい
・クリニックは医療費が少額になることが多く、現金でも十分対応できる
・手数料を負担しなければならない

などが挙げられるかと思います。

今までは経営上もマーケティング面でもデメリットが多く、導入しない方がむしろメリットが多かったかもしれません。
しかし上述した通り、少なくともこの10年で支払いにおける環境や患者さんの習慣や考え方は大きく変化しています。
実際に自動釣銭機や自動精算機は導入しているお店はスーパーや飲食店など増えています。そのため耳鼻咽喉科クリニックにおいてもキャッシュレス決済を導入していく方が良いのではないかと考えます。

政府の方針や世界の状況、そして若者の決済方法の変化により今後はキャッシュレス決済の普及がますます広がり、さらに若い世代がこれから社会の中心になるため、その世代の習慣に合わないクリニックは患者の不満に繋がり、患者離れに繋がっていく可能性もあります。
そのため将来的なことを考えれば、キャッシュレス決済ができる耳鼻咽喉科クリニックというイメージを先行して作るためにも、早めに導入した方が良いのではないかと思います。

キャッシュレス決済を導入した際の具体的なメリットは
・支払の効率化に繋がる
・現金の授受がないので衛生的
・データの活用などがしやすくなる
・高額医療や高額な自費診療などの支払いがしやすくなることで受診に繋がる
可能性があるなどが挙げられます。

耳鼻咽喉科における例では、
・レーザー治療などの高額治療の支払いにおいて現金以外の方法があれば、多くの現金を持ち歩く必要がなくなり患者さんの利便性が高まる。
・CPAP・舌下免疫療法など長期に渡り定期的な治療と通院が必要な場合キャッシュレス決済によるポイント還元が見込めることでお得感が生まれる。
などのメリット
があり、患者さんの負担額は増えますが、診療時に検査の提案・高額な医療も選択肢の一つになり、患者さんが関心を持ち納得すれば結果的に患者さんの満足度も上がり、クリニックの診療単価が高まりやすく、医業収入の確保に繋がり専門性の高い治療を提供しやすくなる可能性があります。

今までは現金しか利用できないクリニックが多かったですがクレジット決済ができる所はどんどん増えてきています。
さらにスマホ決済やICカード決済などの新しいキャッシュレス決済の導入を進めているクリニックも徐々に増えてきています。
将来的に導入が必須になるのであれば、早いタイミングで導入していただければと思います。

 

今回はキャッシュレス決済を例にお伝えしましたが、時代の流れに合わせて、競合医院に先立って時代遅れにならない経営をするためにも、患者さんに不便を感じさせない耳鼻科クリニックになるためにもご参考いただければ幸いです。