その場でクレームを言って頂ける患者さんはその場で対応できるので、まだ対処方法がある分良いですが、昨今増えてきているサイレントクレーマーが待たされたことに腹を立てていたらどうでしょう?その場で対処できず、おそらく知らず知らずの内に悪い口コミを広げられ、患者さんの足が遠のくことでしょう。
サイレントクレーマーでなくても会計のためだけに待たされるクリニックは、誰もが行きたくないものです。
“会計で待たされるから行かない”そうならないためにも、一度会計の待ち時間に目を向けてみましょう。

診療を終えた患者さんが30分たった後でも待合室にいらっしゃることがあります。
つまり、会計に呼ばれるまでずっと待たされているのです。
実は会計で待たされるという事態は耳鼻咽喉科だけでは無く、皮膚科や整形外科など他の診療科でも多々発生していることです。
では、患者さんの待ち時間はどれくらいが一般的なのでしょうか?
患者さんの待ち時間の目安は以下の通りです。

【受付から診察室(もしくは中待合室)に呼ばれるまでの待ち時間】
・受付から診察開始までの時間:30分以内
・中待合室へ呼び込むまでの時間:8~10分以内

【診察が終わってから待合室で待つ時間】
・待合室に出て来てから会計に呼ばれるまでの時間:1~2分以内

診察が始まるまでの待ち時間は希望しているサービス(診療)を受けるまでの待ち時間ですので、比較的待つことを我慢ができる方が多いですが、自分の希望していたサービス(診療)が終わった後は皆さん一刻も早く帰りたいと思っているので注意が必要です。
特に、待合室に戻ってから会計に呼ばれるまで5分以上かかっているようであれば、今すぐにでも改善をしたほうが良いでしょう。

会計待ち時間を短縮するために注意すべきポイント

診察が終了してカルテが回ってきているにも関わらず会計が遅いのであれば、受付の業務が適切に処理できていないということです。
ここで注意が必要なのは、「受付のスタッフさんのスキルが低いから会計までの時間が長い。」と決めつけないことです。

スタッフさんの人数が適正であるにも関わらずなかなか会計までの待ち時間が短縮されない場合は、以下の点を注意深く観察してみてください。
・受付の業務量
・受付スタッフが実際に働いている時の行動
・受付の現場状況
・診察室との動線
上記のポイントを注意深く観察して頂くと改善すべき点が見えてくるでしょう。

繰り返しになりますが、会計までの待ち時間が長いのは受付のスタッフさんのスキルのせいにしないことが大切です。
先生が教育し、スタッフさんのスキルを向上させて待ち時間が短縮できたとしても、そのような属人的な部分に頼っているといつまでも安定した運営を行えません。
先生が力を使うべきところは、待ち時間を短縮できる仕組み作りです。一度仕組みが出来上がるとスタッフさんが入れ替わってもそれまでと同じ状況で安定した運営が行えます。