閑散期に取り組んでいただきたい事項としては大きく分けると3つの区分に分かれます。

(1)増患対策
(2)患者満足度向上対策
(3)診察効率向上対策

この3つは日々の診療業務の中でも経営者である院長先生は考え続けなければいけない内容ですが、どうしても繁忙期には考えられない状況にあります。では閑散期に取り組むべき3つの事項をお伝えいたします。

 


 

(1)増患対策

この点に関して、まず実行していただきたいことは自院が取り組んでいるマーケティング活動に対しての「費用対効果」の見直しです。近年、費用対効果が最も高い媒体はホームページです。そのため、ホームページのリニューアルは緊急性の高い増患対策の1つとして挙げることができます。元々リニューアルを検討されていた場合、今年の閑散期にリニューアルすることをお勧めいたします。

 

(2)患者満足度向上対策

この点に関して、まず実行していただきたいことは「自院の受付・診察・会計を客観的な視点」による見直しです。閑散期は繁忙期に配置しているスタッフよりも配置する人員を減らす医院様が大半です。この減らしたスタッフの方を「休み」とするのではなく、自院で患者様として受診していただきます。患者様として待合室に滞在することで、見えていなかった視点が見えてくる場合も少なくありません。

また、代診の先生を抱えておられる院長先生の場合は、代診の先生の診察時に患者様として受診していただくことも良い方法です。やはり日頃ドクターとして、診察業務に携わっている為「受付の状況」「患者様の状況」「代診ドクターの診察」など気になっている点を把握する時間はありません。閑散期で落ち着く時期だからこそ取り組める事項の1つとして、またスタッフの方でも取り組めることとしてお勧めいたします。

 

(3)診察効率向上対策

この点に関して、まず実行していただきたいことは「診察に何分かかっているか把握すること」です。実際、繁忙期に診察が終了する時間が1時間延長することはもちろん、多い時は3時間延長する医院様もあります。

1診療3分を越えないように心がけている耳鼻咽喉科医院もおられますが、なぜそのような事態に陥るのか?繁忙期は患者様が増える為、診察終了時間が延長してしまう事は仕方ありませんが、短くできるポイントを踏まえていないからです。ただ、短くするとなった場合、「診察の質が落ちるのではないか?」と懸念される院長先生もおられるでしょう。結論からお伝えすると、「落ちません」少しイメージをしてみてください。

 

1コマで100名来られた場合、何分かかるでしょうか?
3分×100名=300分。すなわち5時間です。この診療を15秒縮めるだけでどうなるでしょうか?

15秒×100名=1500秒=25分

つまり1患者様あたり15秒を短くするだけで25分も短縮することができます。

15秒と聞くと現実的に感じられる方が多いでしょう。
ただ、実際何分かかっているかを意識されたこと、もしくは計測されたことは少ないでしょう。

この計測に関して誰がするのか?というお話になりますが、弊社のクライアント様はクレドメディカルが行っております。その他の医院様においては(2)と同様に手の空いたスタッフに計測していただくのも一つの手でしょう。
自院における実際の数値を把握し、対策を講じることが繁忙期に向けた閑散期の有用な使い方です。

 

今回お伝えした3つの点に優先順位をつけてください。医院の状況に応じて、優先順位は大きく異なります。

ただ、院長先生に決定していただく上で一番大事なことは「どのような医院を作りたいか」です。この信念に基づいて、必要なことを決定してください。することを決める「覚悟」を持ち、実行する「決断」をしていただくことで、有意義な時間として閑散期を活用することができるはずです。