繁忙期のことを考えての現在の人員体制では足りない、
もしくは閑散期での人員過多を考えて最少人数の体制で運営するように、
医院によって形は違えど毎年同じ悩みを抱えている医院もあるかと思います。 

直近で見られた事として、インフルエンザの流行でスタッフが休むケースがあったのではないでしょうか。
人員をギリギリで配置していたため、1人が休むと大変な状況になる、
もしくは2人が休む状況になり、急遽働けるパートスタッフを探さないといけないという状況です。 

そうならない為にも医院の経営状況と患者数の状況を勘案して、
現在の人員体制が本当に適切か、
再度見直しをしていただきたいと思います。 

 

クラークを配置しているかで多少変わりますが、
通常1日平均来院患者数100人での適正人員数はスタッフ5人が目安です。

例えば1日平均来院患者数が140人であれば、スタッフ数7人が適正人数となり、
クラークを配置している場合はプラス1人を追加します。
加えて、売上に占める人件費率は、
売上対比17~22%が適正になります(院内処方の場合)。 

 

現在の人件費が適正なのかどうか、
現在のスタッフ数では人件費が高く、
かつ1人スタッフが休むと診療がつらくなるという場合に考えられることは
「スタッフ1人当たりの給与が高すぎる場合」が考えられますので見直しが必要です。 

 

もしくは人件費が高く、
かつスタッフ数は多いはずだが
患者数の割に診療時間が延長する場合は、 

  • スタッフの動きが悪い(スキルが低い) 
  • オペレーション上の無駄が多い 

などが考えられます。 

 

繁忙期を乗り切るための人員体制で、閑散期に人員過多になったとしても、
閑散期にスタッフに実施してもらえることは多々あります。

例えばHPの更新や疾患ページの作成、診療ツール作成やリニューアルなどです。
本当は行いたいのに先生方ができない場合、時間のある時にスタッフにお願いできるはずです。

そのようなことをお願いできない場合、組織として改善していく方向性が見えてきます。 

ただ人件費を気にされて人員過多になることがどうしても避けたい耳鼻咽喉科医院は、
繁忙期だけのアルバイトを検討されてもいいでしょう。

繁忙期だけ派遣を活用するというのも1つの手段です。
派遣の場合は費用が高くなるので、注意が必要になりますが、早急な対処方法としては検討の余地のある方法です。 

ただし、繁忙期だけのスポットとなるとアルバイトも派遣もどちらにも言えることですが、業務を教える必要が出てくることはご注意ください。 

上記のようなスポットを検討される場合は、
カルテ運びや患者の呼び込み、洗い物など簡単にできることで 

「これをやってもらうと効率がよくなる」
「先生もスタッフが楽になる」 

ということに専念してもらいましょう。 

 

採用方法にも留意する

このように人員体制の見直しをしていただき、
採用を検討しなければならない時は採用方法もしっかりと考えてください。 

  • スタッフの雇用形態をどのようにするのか 
  • オペレーションを考えた時に職種は何が必要か 
  • 採用したスタッフに何の業務をさせるのか 
  • 現在の地域の時給もしくは月給相場はいくらか 
  • 既存スタッフとの給与の兼ね合い 
  • 採用フローは今のままでいいのか 
  • 教育方法は人それぞれになっていないか 
  • 募集媒体をどのようにするのか 

など求人募集をする際には、検討すべき点が多くあります。 

 

採用を考える時に医院の今後の方向性や人員体制をしっかり考えて動かなければ、 

  • 人を採用してもすぐ辞めてしまう 
  • よい人材ではなかった 
  • 医院に合わない 

などの弊害が起きてまいります。 

時代の流れも変わったり、
年間に絶対的に起きる異動による人の動きを考えながら募集をかけないと
無駄骨になる可能性もあります。 

 

採用してもすぐ辞めるケースでは、
「思っていたより忙しかった・・・」という声もよく聞きますが、
場合によっては、既存スタッフに原因がある可能性もあるので注意が必要です。 

例えば、
新人を教える既存スタッフが新人に対して医院の悪いことばかり話したり、
他のスタッフの悪口を言っていることもあるかと思います。 

スタッフが定着しない場合は、
採用方法を見直すことも必要にありますが、
組織も見直さなければならない可能性もあります。 

  • 年間を通しての計画を実行していきたい、 
  • より医院を発展させていきたい 
  • 組織を活性化したい 
  • 診療効率を上げたい 

など将来的に先生が目指したいことを明確にしていただき、
この繁忙期を活用して人員体制の見直しを図ってください。 

そして、
医院の発展、診療効率向上、組織の活性化などにつなげていただければと思います。