そもそも「ロケット理論」とは具体的にどういうことかと言いますと、

 

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ロケットが月に行けたのは、3つの要因から成り立っていると言われます。

 

I.月に行こうという「明確な目標」を持ったこと

月に行こうと思わない限り月には行けません。

何のために・何時までに月に行くという志を立てることが、まず月に行くための第一条件となります。

 

II.月に行くための「方法論の具体化」ができたこと

月に行こうという目標を絵に描いた餅にしないためには、月に行くための具体的な方法論(アクションプラン)が必要になります。

何時・誰が・何を・どのように・・・行動するのかを、具体化することが第2の条件となります。

 

III.到達過程「軌道修正が的確」であったこと

月に行く過程には、様々な障害や予期せぬ出来事が発生し、当初の計画通りには行きません。

タイムリーに現在位置を把握すると共に計画とのズレを確認し、コンピューター等の最新技術により軌道修正しながら目標に向かって突き進んで行くことが第3の条件となります。

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以上のことを「経営」に置き換えると・・・

 

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1.院長先生(経営者)が「目標」を示す

(1)経営理念・経営目標・経営理念・経営目標

(2)中期目標

(3)5ヶ年数値計画

(4)医院当期目標

 

2.「方法論」を具体化する

→トップダウン方式、ボトムアップ方式

(1)月別数値計画

(2)月別行動計画

(3)経営計画発表会

 

3.「達成管理」を徹底する

(1)自計化

(2)会議

(3)評価サイクルの確立

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以上のようなことはよく言われていることですが、この考え方は様々な場面で活用できます。

 

例えば『診察オペレーション』で言いますと、
現状は1時間に15人を診察することが限界であった場合「本当は1時間20人診察を目標にしたい!」という目標があれば、それを達成するためにどうしたらいいのかという方法を考えなければいけません。

また、『患者さんの待ち時間』で言いますと、
1人の患者さんの待ち時間が1時間である場合、30分に短縮できないか、もしくは1時間の待ち時間があったとしても『待ち時間』という概念を患者さんに感じさせないようにするにはどうすれば良いか。

 

上記のような話であれば改善する方法はあります。

 

1つの方法としては、「時間を意識する」ということです。時間を意識するだけでも変化は起きます。

その他にも先生がルーティンで説明する内容をピックアップして紙やタブレットを使用し、説明の時間短縮をする等の方法があります。

しかし、ご注意いただきたいのは、時間を意識するあまり、患者さんへの対応が疎かにならないようにすることです。
これは、スタッフさん然り、先生然りです。

また、オペレーション改善するための方法を実行した場合、その方法の結果どうなったかを見る必要があります。
先程の例で考えれば、1時間当たり20人の診察を行えたかどうかの結果を見る必要があります。

 

もし達成できていなければ、

・他に何か方法があるか
・何が原因なのか

等スタッフさん達と検討するミーティングを実施していただくことが必要になってきます。

 

その他にも、毎月の患者数の目標設定も1つです。

・新規患者数200人を目標
・口コミ率40%以上を目標
・HP(ホームページ)経由来院患者数50人を目標

など。

 

患者さんに来院してもらうための方法は多数あります。口コミ率を上げるため、口コミを誘発させる方法もあるのです。

例を挙げるのであれば、新規患者さんに自院を認知してもらうために看板を設置した場合、その看板からどれくらい来院につながったのか費用対効果の計測が必要です。それはあらゆるマーケティング手法において行うべきことです。

看板を設置するという方法からその結果を管理する。
ここまでを一連の流れとしてやっていただくことが、経営を考えていくうえで大切です。費用対効果がないものに関しては実施を止めることも検討していかなければなりません。

 

患者来院数や1時間当たりの診察できる患者数を増やす等の目標を立てる前に、自身で患者数の上限を設定している先生も中にはいらっしゃいます。
しかし、それは本当でしょうか?何もしないで先に限界を決めてしまっていないでしょうか。

 

脳科学的観点から言いますと「ガラスの天井」と言い、限界を無意識に決めてしまい、行動を起こさないことを指します。

 

行動を起こし、うまくいかない場合は、改善策を考え、様々なパターンを実行した上でできなければ仕方のないことと思いますが、金銭的な理由や物理的にできない状況でない限り何か実行できると思います。

 

是非、目標を達成するための方法、経過や達成の管理を行う仕組みを構築し、実行していただければと思います。