どうして夏の風物詩であるアイスが冬でもそんなに食べたくなるのか。

その興味深い内容として、ハーゲンダッツが挙げられます。

1984年に日本に上陸して以来、アイスの中でも高級アイスとして君臨し続けているハーゲンダッツですが、実は1年を通じて12月が最も売れています。

冬にアイスを食べたくなる理由の一点目が、年末の自分を労うための少し贅沢なご褒美やお客様への手土産でハーゲンダッツを買う人が多いということです。

ハーゲンダッツ以外のアイスメーカーでも冬に新作を発売する会社が多く、実は1年が終わる12月に今年頑張った自分を慰労する意識も自然と高まることから、ゴージャスなイメージを表現したアイスが多く発売されます。

かつて、ハーゲンダッツでもストロベリーソース、バニラカスタードアイスクリーム、チョコレートブラウニーの調和がとれた苺とブラウニーのパフェなどを発売しています。

逆に夏に売れるアイスは冬と異なり、シャーベット系のさっぱりした爽やかなアイスの売上が高いと言われています。
そのため、冬場はシャーベット系の新作はあまりありません。

二点目が、冬にアイスを食べたくなる理由に室内の温度があります。

真冬になるとほとんどの地域では、外が寒いため、必ず室内は暖房をつけ、部屋を暖かくしています。

その暖かい部屋で特にお風呂あがりにアイスを食べるのがとても人気があるようです。

また、暑い夏場でも冷たいものを食べたくなりますが、夏だとアイスはすぐに溶けてしまいます。
反対に寒い冬はアイスが溶けにくく、ゆっくりとアイスを味わうことができる点もメリットと捉えている方が多いようです。

このように、本来夏に買うものが冬に売れていたり、その逆の現象が起こったりと、季節感が逆転した購買行動が近年注目されています。

 

クリニックに活かすマーケティング戦略

この季節を逆転させた購買行動は、クリニックのマーケティングにも活用できる考え方です。

例えば、外耳道炎は、高温多湿になる夏に比較的多くなる疾患ですが、近年スマートフォンの普及や、テレワークの増加によりイヤホンを利用する頻度が増え、外耳道炎を発症する方は季節を問わない状況になってきています。

また、耳鼻咽喉科ではスギ花粉症で春(2月~3月)に混み合うことが定番ですが、年末から年始にかけてレーザー治療を実施するケースや、小学生~大学生向けに、夏休みを利用した舌下免疫療法の開始を最大化するため、LINEでの告知により来院を促すケースなど、スギ花粉症に関連したニーズを別の季節で獲得しているクリニックもあります。

実際に流行する季節に、「この疾患と言えば春でしょう」と、春にしかマーケティングをかけていなかったということはないでしょうか。

科学技術の発展が著しい昨今、いつの間にか知らない間に、人々の生活様式や環境、習慣が変わってしまっているということはよくあることです。

クリニックによっては、オンライン診療を積極的に取り入れたり、非接触での会計処理システムを導入したり、今まででは到底考えもしなかったことを導入しているクリニックもあると思います。

いつどんな変化が訪れる、または変化しなければならないか、先行きがわかりにくい状況が続いています。
このような状況だからこそ、今までと同じやり方だけにこだわるのではなく、今までと異なった業種や視点から、何か取り入れることはマーケティングの観点では非常に有用です。
しかしいきなり斬新なアイデアを思いつくことは、至難の業です。
そのためまずは今までの当たり前を見直すことからはじめることをおすすめしています。

・これは特定の季節に多い疾患だから今は発信する必要はない
・耳鼻咽喉科では通常この疾患は対応していない
・耳鼻咽喉科では自費診療項目の立ち上げは難しい

といった「常識」だと考えていることを疑い、仮説を立ててから行動し、仮説に基づいて行動し、行動から生まれた結果を分析し、足りていない部分を改善する策を決めることで、今行えていない新たな取り組みを形作ることができます。
つまり、戦略次第では、夏が終わってもアイスを売り続けることが可能なように、季節の変化に左右されない強固なクリニック経営を構築することに繋がります。

 

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