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2022.05.31

【2022年5月31日更新】リフィル処方箋 クリニック(診療所)への導入の影響

本記事は「【2022年5月31日更新】リフィル処方箋 クリニック(診療所)への導入の影響」について、経営コンサルタントの百合草が医師のために記載した文書です。

より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。

 

 

<目次>

  1. リフィル処方箋とは?
  2. リフィル処方箋と分割調剤の違い
  3. リフィル処方箋の海外での状況
  4. リフィル処方箋のクリニック経営への影響
  5. リフィル処方箋の疑義解釈について
  6. リフィル処方箋の対象となる薬品の判別
  7. まとめ

 

⒈ リフィル処方箋とは?

 

2022年診療報酬改定にて、4月1日より日本においてもリフィル処方箋が導入されました。

まず、リフィルとは補充用の物品という意味の言葉です。

 

今までの通常の処方箋は医師が決めた日数分の薬を一度だけもらえるものでしたが、リフィル処方箋では定められた一定期間内、回数内であれば、同じ処方箋で医師の診察なしでも繰り返し薬をもらうことができるようになります。

 

リフィル処方箋の導入の狙いは、安定した慢性疾患を有する方に多い、「薬をもらうためだけの受診」を抑制することによる、「患者さんの通院負担・窓口負担の減少」と「医療費の抑制」と考えられます。

 

 

⒉ リフィル処方箋と分割処方の違いは?

 

リフィル処方箋と似たような仕組みとして、日本では2016年から「分割調剤」が導入されています。

 

同じ処方箋を繰り返し使用できるリフィル処方箋に対して、分割調剤ではその名の通り定められた処方期間を分割するという仕組みです。

 

分割調剤は ①長期保存が難しい薬剤 ②後発医薬品を初めて使用する場合 ③医師による指示がある場合、などに行われるもので、慢性疾患の薬などの薬のみの診療を抑制することを狙いとしたリフィル処方とは趣旨が大きく異なります。

 

また、分割回数の上限は3回までとなっています。

 

令和元年の薬剤師の業務実態調査(医療機関調査、N=369)によると、分割処方の処方箋を発行しているという回答は全体の9%で、現在広く普及しているとは言えない状況です。

 

参考資料:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000805792.pdf(中医協令和3年7月総会資料P100部分)

 

 

⒊ リフィル処方箋の海外での状況

 

日本では導入されたばかりのリフィル処方箋ですが、アメリカ、フランス、イギリス、オーストリアなど海外では多くの国ですでに導入されています。

上記4ヶ国の中で最も歴史が長いのはアメリカで1951年より導入されています。(州により制度は異なります。)

アメリカは対象患者に対する規制は特になく、その他の国では症状が安定した慢性疾患が主な対象となっているようです。フランスでは経口避妊薬の処方も対象となっています。

 

一方で上記のほとんどの国において一部の薬剤はリフィル処方箋の対象外(禁止)となっているようです。

リフィル処方箋の有効期間も国によって様々ですが、イギリス、オーストリアでは6ヶ月〜12ヶ月、アメリカ、フランスでは6ヶ月が有効期間の上限となっています。

アメリカは州ごとに制度が違い、カリフォルニア州のみ有効期間がありませんが、一般的には2年を超えるリフィル処方箋は出されないようです。

 

 

⒋ リフィル処方箋のクリニック経営への影響と対応

 

リフィル処方箋のクリニック経営についての影響と対応を考えてみたいと思います。

 

リフィル処方箋の導入について、やはり最も懸念すべきは通院回数の減少とそれによる医業収入の減少です。

 

対象疾患や有効期間が決定・公表されていませんが、諸外国と同様に慢性疾患患者が対象となると、生活習慣病患者の多い内科クリニックが最も影響が大きいと考えられます。

 

またアレルギー性鼻炎などの季節性・通年性の慢性疾患が重要な耳鼻咽喉科、アトピー性皮膚炎やニキビなどの疾患の診療にあたる皮膚科等も影響があるでしょう。

 

リフィル処方箋は患者さんの通院負担を減らす効果のある制度ではありますが、長期間診察なしに薬を処方することが可能となるため、必然的に調剤薬局での状態把握の精度を高める必要があります。

 

そのため、門前薬局を持たない医療機関は運用の難しさがあるでしょう。

 

ただ、薬剤師に処方権のあるアメリカやイギリスと違い、日本では医師のみ処方権を保持しているため、リフィル処方とするかは「医師の裁量」ということになります。

 

医療機関側にとっては収益的なメリットが減る一方で経過を診ずに長期処方を行うリスクは増すことになります。

 

⒌ リフィル処方箋の疑義解釈について

 

2022年3月31日事務連絡において、令和4年度診療報酬改定の取扱いに係る疑義解釈が公表されましたので、リフィル処方箋に関する事項を抜粋してご案内します。

 

【リフィル処方】

処方箋の交付について、リフィル処方を行う医薬品と行わない医薬品を処方する場合には、処方箋を分ける必要があるか。

(答)処方箋を分ける必要がある。

 

処方箋の交付について、リフィル処方により2種類以上の医薬品を投薬する場合であって、それぞれの医薬品に係るリフィル処方箋の1回の使用による投薬期間が異なる場合又はリフィル処方箋の使用回数の上限が異なる場合は、医薬品ごとに処方箋を分ける必要があるか。

(答)処方箋を分ける必要がある。

 

【リフィル処方箋による調剤】

「リフィル処方箋により調剤した場合は、調剤した内容、患者の服薬状況等について必要に応じ処方医へ情報提供を行うこと」とされているが、この場合において、服薬情報等提供料は算定可能か。

(答)算定要件を満たしていれば、服薬情報等提供料1又は2を算定可。

 

リフィル処方箋による2回目以降の調剤については、「前回の調剤日を起点とし、当該調剤に係る投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし、その前後7日以内」に行うこととされているが、具体的にはどのように考えればよいか。

(答)例えば、次回調剤予定日が6月 13 日である場合、次回調剤予定日を含まない前後7日間の6月6日から6月 20 日までの間、リフィル処方箋による調剤を行うことが可能である。ただし、調剤した薬剤の服薬を終える前に次回の調剤を受けられるよう、次回調剤予定日までに来局することが望ましいこと等を患者に伝えること。

 

リフィル処方箋の写しは、いつまで保管する必要があるのか。

(答)当該リフィル処方箋の写しに係る調剤の終了日から3年間保管すること。

 

一般名処方によるリフィル処方箋を受け付けた場合、2回目以降の調剤においてはどのように取り扱えばよいか。

(答)2回目以降の調剤においても、一般名処方されたものとして取り扱うことで差し支えないが、初回来局時に調剤した薬剤と同一のものを調剤することが望ましい。

 

リフィル処方箋を次回調剤予定日の前後7日以外の日に受け付けた場合は、当該リフィル処方箋による調剤を行うことはできるか。

(答)不可。なお、調剤可能な日より前に患者が来局した場合は、再来局を求めるなど適切に対応すること。

 

厚生労働省 事務連絡 令和4年3月31日「疑義解釈資料の送付について(その1)」より抜粋

 

 

6.リフィル処方箋の対象となる薬品の判別

 

現状、リフィル処方箋の対象となる薬品について、詳細なリストは公表されていません。

 

しかし、厚生労働省が公表している「令和4年度診療報酬改定の個別改定項目について」において、リフィル処方箋は「保険医療機関及び保険医療養担当規則において、投薬量に限度が定められている医薬品及び湿布薬については、リフィル処方箋による投薬を行うことはできない。」 と定義されています。

 

つまり、明確に対象外と定義されている薬品以外は医師の判断により処方を行うことになります。

 

 

7.まとめ

 

リフィル処方箋への取り組みは、現状では様子見をされている医師が多いと思います。

診療報酬改定から約1カ月経過時点では、発行経験がある医師は約5%にとどまっていたようです。(開業医、勤務医含め1,215名による回答)

(エムスリー社による意識調査:https://www.m3.com/news/open/iryoishin/1042115

 

リフィル処方箋で処方するかどうか、医師の判断によるところが大きいため、最新の情報を常に得ながら自院での運用方法をご検討いただければと思います。

 

この記事が今後の医院経営のお役に立ちましたら幸いです。

 

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