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2022.01.07

リフィル処方箋 クリニック(診療所)への導入の影響

本記事は「リフィル処方箋導入の影響」について、クレドメディカルの志賀が医師のために記載した文書です。
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<目次>

  1. リフィル処方箋とは?
  2. リフィル処方箋と分割調剤の違い
  3. リフィル処方箋の海外での状況
  4. リフィル処方箋はいつから導入される?
  5. リフィル処方箋のクリニック経営への影響

 

⒈ リフィル処方箋とは?

 

2021年末に2022年診療報酬改定にて、日本においてもリフィル処方箋が導入されることが決定したというニュースが報道されました。

 

処方箋の反復利用可能に 22年度から―診療報酬改定
2022年度診療報酬改定で、一定期間内に一つの処方箋を繰り返し利用できる「リフィル処方箋」の導入が22日、決まった。

2021年12月22日jiji.comより https://www.jiji.com/jc/article?k=2021122200646&g=eco

 

リフィルとは補充用の物品という意味の言葉です。

 

今までの通常の処方箋は医師が決めた日数分の薬を一度だけもらえるものでしたが、リフィル処方箋では定められた一定期間内、回数内であれば、同じ処方箋で医師の診察なしでも繰り返し薬をもらうことができるようになります。

 

リフィル処方箋の導入の狙いは、安定した慢性疾患を有する方に多い、「薬をもらうためだけの受診」を抑制することによる、「患者さんの通院負担・窓口負担の減少」と「医療費の抑制」と考えられます。

 

 

⒉ リフィル処方箋と分割処方の違いは?

 

リフィル処方箋と似たような仕組みとして、日本では2016年から「分割調剤」が導入されています。

 

同じ処方箋を繰り返し使用できるリフィル処方箋に対して、分割調剤ではその名の通り定められた処方期間を分割するという仕組みです。

 

分割調剤は ①長期保存が難しい薬剤 ②後発医薬品を初めて使用する場合 ③医師による指示がある場合、などに行われるもので、慢性疾患の薬などの薬のみの診療を抑制することを狙いとしたリフィル処方とは趣旨が大きく異なります。

 

また、分割回数の上限は3回までとなっています。

 

令和元年の薬剤師の業務実態調査(医療機関調査、N=369)によると、分割処方の処方箋を発行しているという回答は全体の9%で、現在広く普及しているとは言えない状況です。

 

参考資料:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000805792.pdf(中医協令和3年7月総会資料P100部分)

 

 

⒊ リフィル処方箋の海外での状況

 

日本では導入が決定したばかりのリフィル処方箋ですが、アメリカ、フランス、イギリス、オーストリアなど海外では多くの国ですでに導入されています。

 

上記4ヶ国の中で最も歴史が長いのはアメリカで1951年より導入されています。(州により制度は異なります。)

 

アメリカは対象患者に対する規制は特になく、その他の国では症状が安定した慢性疾患が主な対象となっているようです。フランスでは経口避妊薬の処方も対象となっています。

 

一方で上記のほとんどの国において一部の薬剤はリフィル処方箋の対象外(禁止)となっているようです。

 

リフィル処方箋の有効期間も国によって様々ですが、イギリス、オーストリアでは6ヶ月〜12ヶ月、アメリカ、フランスでは6ヶ月が有効期間の上限となっています。

 

アメリカは州ごとに制度が違い、カリフォルニア州のみ有効期間がありませんが、一般的には2年を超えるリフィル処方箋は出されないようです。

 

 

⒋ リフィル処方箋はいつから導入される?

 

前述の報道によると2022年の診療報酬改定にて導入とのことですので、実際の運用は2022年4月からとなります。

 

ただ、リフィル処方箋の対象患者・対象薬剤や上限期間については現在議論されている段階です。

 

一般的な診療報酬改定のスケジュールに照らし合わせると、例年2月上旬に個別の改定項目(いわゆる短冊)が公開され、3月上旬ごろに点数も含めた正式な通知が発出されます。

 

ですので制度の詳細がわかるのは2月上旬ごろ、制度導入の約2ヶ月前ということになります。

 

 

⒌ リフィル処方箋のクリニック経営への影響と対応

 

最後にリフィル処方箋のクリニック経営についての影響と対応を考えてみたいと思います。

 

リフィル処方箋の導入について、やはり最も懸念すべきは通院回数の減少とそれによる医業収入の減少です。

 

対象疾患や有効期間が決定・公表されていませんが、諸外国と同様に慢性疾患患者が対象となると、生活習慣病患者の多い内科クリニックが最も影響が大きいと考えられます。

 

またアレルギー性鼻炎などの季節性・通年性の慢性疾患が重要な耳鼻咽喉科、アトピー性皮膚炎やニキビなどの疾患の診療にあたる皮膚科等も影響があるでしょう。

 

リフィル処方箋は患者さんの通院負担を減らす効果のある制度ではありますが、長期間診察なしに薬を処方することが可能となるため、必然的に調剤薬局での状態把握の精度を高める必要があります。

 

そのため、門前薬局を持たない医療機関は運用の難しさがあるでしょう。

 

ただ、薬剤師に処方権のあるアメリカやイギリスと違い、日本では医師のみ処方権を保持しているため、リフィル処方とするかは「医師の裁量」ということになります。

 

医療機関側にとっては収益的なメリットが減る一方で経過を診ずに長期処方を行うリスクは増すことになります。

 

そのため、何か強制力のあるルールが整備されなければ(現時点で分かっている情報に於いては)実際にリフィル処方箋が普及するかは不透明な状況です。

 

 

4月からの制度開始に合わせ、

  • そもそも自院ではリフィル処方を導入するのか?
  • 導入する場合、ガイドラインに照らし合わせた上でどのような患者さんを対象とするのか?
  • しない場合は、患者さんから要望があった際にどのように説明するのか?(どう断るのか?)
  • 調剤薬局との確認事項、連携方法のすり合わせ

等、最新の情報を常に得ながら自院での運用方法をご検討いただければと思います。

 

 

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