美容皮膚科で気を付けたい広告規制NG表現
本記事は「美容皮膚科で気を付けたい広告規制NG表現」について、経営コンサルタントの中角が医師のために記載した文書です。
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<目次>
1.美容医療の広告規制が強化されている理由
医療法は、医療に関する広告について「誇大広告その他の不適正な広告を規制することにより、医療に関する適正な選択のために必要な情報の提供を確保する」ことを目的の一つとしています。
医療機関のウェブサイト等が「広告」として規制対象に含まれることとなってから、厚生労働省は「医療広告ガイドライン」及び「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」を作成し、美容医療を含む自由診療に関する表示ルールを詳細に提示しています。
中でも、美容皮膚科に代表される美容医療分野においては、自由診療を中心とする施術が多く、価格・効果・症例写真等を用いた積極的な広告が展開されているため、誘引性の高い広告による患者被害の拡大が懸念される分野として位置づけられています。
実際に、国民生活センター等には美容医療に関する相談や苦情が継続的に寄せられており、期待した効果が得られない事例やリスク説明が不十分であったとする申出が一定数存在することが公表されています。
- 国民生活センター(PIO-NET)の年次推移 「美容医療サービス」に関する相談件数
2022年度:3,798件
2023年度:6,281件
2024年度:10,717件
2025年度:809(前年同期 662)
参照:独立行政法人国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/biyo.html
厚生労働省は、違反広告がインターネット上で多数確認される状況を踏まえ、ネットパトロール等による監視指導体制の強化を進めており、2024年3月の医療広告ガイドライン改訂では、GLP-1等を含む自由診療の広告及びSNS・動画広告に関する事項が明確化され、オンライン上の広告手法に対する規律が追加されています。
悪質な違反広告については、医療機関への是正指導に加え、必要に応じて都道府県等に情報提供し、行政処分(業務停止命令等)を検討する運用が示されています。
また、美容皮膚科に代表される美容医療の広告規制に関する事例についても時代内容に即した内容で更新され続けています。
参照:厚生労働省 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 (第5版)
https://www.mhlw.go.jp/content/001439423.pdf
2.主な広告規制NG表現
美容皮膚科における医療広告ガイドライン及びウェブサイト等の事例解説書において、原則として禁止または不適切とされる代表的な表現類型は以下の通りです。
| 表現類型 | 具体例 |
|---|---|
| 客観的事実に基づかない優良性・有利性の強調 | 地域で一番、最高レベル、No.1、最先端の美容医療、圧倒的症例数 |
| 治療の安全性を過度に保証する表現 | 安全・安心・完全無害・副作用なし・絶対に安全・失敗しない手術 |
| 痛み・負担が全くないと受け取られる表現 | 無痛・痛みゼロ・ダウンタイムなし・腫れない・キズ跡が必ず残らない |
| 効果を断定する、又は過度に期待させる表現 | 必ず痩せる・確実に若返る・永久に効果が続く・必ず治る・100%の効果 |
| 比較優位を暗示する表現 | 他院より安い・当院だけの治療・唯一の方法・他院では受けられない最新治療 |
| 医学的・技術的に誤解を招くおそれのある用語 | 永久脱毛・完全除去 |
| 限定解除要件を満たさない体験談・症例写真等 | 治療内容・費用・リスク等の記載が不十分なビフォーアフター写真・口コミ |
| 価格表示における誤認を招く表示 | 期間限定0円、モニター無料(実際には別途費用が発生する場合や総額表示でない場合) |
特に、HPだけでなくSNS媒体においても施術前後の写真のみを強調し、個人差・リスク・標準的な経過等の情報を欠く表示は、誤認を招く広告として不適切とされる事例が事例解説書において示されています。
3.まとめ
美容皮膚科に代表される美容医療に関する広告規制は、医療法及び医療広告ガイドラインに基づき、患者が適切な情報に基づいて医療機関・治療方法を選択できる環境を整備することを目的としてます。
ウェブサイト、SNS、動画等を含むオンライン媒体は広告規制の対象とされ、特に美容医療・自由診療領域では、優良性・安全性・効果の過度な強調、体験談・症例写真の不適切な利用、誤認を招く価格表示等が違反事例として繰り返し指摘されています。
厚生労働省は、ガイドライン・事例解説書の改訂やネットパトロールの強化等により、違反広告への監視指導体制を継続的に強化しているため、美容医療を提供する美容皮膚科の管理者においては、これらの公表資料を参照しつつ、自院の広告表示を適宜見直すことが求められます。
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