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2023.12.21

Google口コミも対象?クリニック運営におけるステマ規制とは?

本記事は「Google口コミも対象?クリニック運営におけるステマ規制とは?」について、主任経営コンサルタントの中角が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。

 

<目次>

  1. ステマ規制とは?
  2. ステマ規制はクリニックの運営にどう関わってくるか
  3. クリニックで気を付けたいこと
  4. まとめ

 

1. ステマ規制とは

 

2023年10月に景品表示法という法律の中に、新たにステマ規制が設けられました。
ステマとはステルスマーケティングの略語となっており、「消費者に広告・宣伝と気付かれないように行われる広告・宣伝行為」のことを指します。
インターネットのまとめサイトやSNS、口コミなどが主な対象になります。

 

海外においては既にステマ規制は進んでおり、遅ればせながら日本でも遂に法律が施行された形になります。
ステマ規制施行により、「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」に対して広告表示が必須になりました。
違反した場合は、再発防止を求める措置命令が出され、広告を依頼した事業者名が公表されます。
措置命令に従わない場合は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金などが科されます。
また、処分を受けるのは個人ではなく所属する企業になります。

 

規制の対象になるのは、企業が第三者を装い、自社の商品に対する肯定的な意見を掲載する行為です。
例えば、商品の販売担当者(役員、管理職など)が、自社商品の認知度を上げるために商品の画像や文章をSNSに投稿したり、競合商品を比較して自社の商品の性能が優れていることや、他社製品が劣っているなどの誹謗中傷を投稿することがこれに該当します。

 

もう一つは、企業がタレントや著名人、インフルエンサーなどの第三者に、金銭もしくはその他の経済利益を提供して表示させているにもかかわらず、その事実を開示せずにSNSなどでプロモーション、PR活動を行うケースです。
事業者の表示であることを消費者に開示するためには、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった文言をわかりやすく示す、もしくは、「A社から提供を受けて投稿している」などと文章で示す必要があります。

ここで、注意が必要なのは第三者との間にたとえ金銭授受が発生していなくても、情報のやり取りが行われた場合は法規制の対象となる場合が出てきます。

 

2.ステマ規制はクリニックの運営にどう関わってくるか

 

では、ステマ規制がクリニックの運営にどう関わってくるかを解説します。

 

①まとめサイトへの掲載
まず、まとめサイトへの掲載が挙げられます。
ネットで検索をかけた際に、おすすめのクリニック〇選などのページが挙がってくるケースです。
クリニック側が何もしていないにも関わらずに掲載されている場合は問題ありませんが、掲載費用を支払っている、掲載費用は支払っていないが情報を提供している、かつ内容がオススメ情報などの他院と比較して優良であると一般の方に誤認を与える表記がある場合は注意が必要です。

 

 

②Google口コミ
口コミ業者に費用を支払い、良い口コミを入れてもらう、悪い口コミを他のクリニックに入れるなどの依頼をすることは今回のステマ規制における「事業者が第三者に対して表示の内容について明示的に依頼・指示している場合」に該当するため、広告表示が必須になります。

 

広告表示であることが明確にできない場合はステマ規制の対象になりうるため注意が必要です。

 

ただ、そもそも口コミ業者などに投稿を依頼すること自体、虚偽やなりすましのコンテンツに該当するためGoogleの規約違反とされています。

 

▼Googleの禁止および制限されているコンテンツ
https://support.google.com/local-guides/answer/7400114?hl=ja#zippy=

 

3.クリニックで気を付けたいこと

 

ローカル検索の重要性が高まっているため、特にGoogle口コミについては各クリニックで様々な施策を行っていることと思います。
今回のステマ規制で重要なことは、「表示内容(投稿内容)に対して、クリニック側がコントロールをしている」場合です。
スタッフに良い口コミを書いてとお願いをする、良い口コミを書いて欲しいと患者さんにお願いしている場合はステマ規制の対象になります。
口コミを書いて欲しいとお願いはするけれども「良い口コミ」に限定するのではなく、感想は自由にお任せしますといった形なら現状は問題ありません。
口コミ集めの際の参考にしていただけますと幸いです。

 

4.まとめ

 

ステマ規制は施行されたばかりで、ステマ規制の運用基準については消費者庁も「総合的に考慮し判断する」としており、ライン引きはまだまだ明確ではありません。
実際に2023年11月現在で大きなニュースになるといった事例はありません。
今回のステマ規制はECサイト運用者、アフィリエイトやインフルエンサーマーケティングが主な対象となっていますので、あまり該当するクリニックは現時点では少ないかもしれません。
ただ、今後はよりステマ規制の規制範囲が明確化され、またより厳しくなることも考えられます。
仮にステマ規制の対象になった場合は、措置命令とともに事業者名が公表されます。
その場合は、クリニックが今まで積み上げてきた信用と信頼を失うことになりかねません。

 

引き続き状況を注視し、グレーゾーンだから良しとするのではなく、正しい判断のもとWEBマーケティングを進めることを推奨いたします。

 

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