患者アンケートは必要か?―「声」を経営に活かすために
本記事は「患者アンケートはとるべきか?」について、コンサルタントの千馬が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
01:患者アンケートはとるべきか ――「声」とどう向き合うか
「患者アンケートは、本当に必要なのだろうか」
多くの院長先生が、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。
日々の診療で手一杯な中、アンケートの準備や集計に時間を割く余裕はありません。
また、厳しい意見やクレームのような声を見るのが正直つらい、という本音もあると思います。
一方で、「患者さんの声を大切にしたい」という思いも、多くの院長先生が持っておられるはずです。では、患者アンケートとは何のために行うものなのでしょうか。
02:患者アンケートの本来の目的
患者アンケートというと、
「満足度を測るもの」「評価されるもの」
というイメージを持たれがちです。
しかし本来の目的は、点数をつけてもらうことではありません。
患者さんがその医院で何を大切に感じ、どこに違和感を覚えているのかを知るための、ひとつの“窓”です。
診療内容そのものはもちろんですが、患者さんが医院を評価する要素はそれだけではありません。
・受付での声かけ
・待ち時間の過ごし方
・医師やスタッフの説明の分かりやすさ
・質問しやすい雰囲気
など、こうした「医療の周辺」にある体験が、医院全体の印象を大きく左右します。これらは、院長やスタッフが思っている以上に、患者さんの記憶に残っています。
03:患者アンケートを取らないリスク
アンケートを取らない場合、こうした不満や違和感はどうなるでしょうか。
多くの場合、患者さんはわざわざ指摘せず、静かに離れていきます。 そして別の場所で、たとえば口コミサイトやGoogleの口コミなど、医院側が直接コントロールできない形で表に出ることもあります。アンケートは、クレームを増やすためのものではなく、むしろ問題が大きくなる前に気づくための“予防策”と捉えることもできます。
04:患者アンケートを取るメリット
アンケートは経営や組織運営の視点からも意味を持ちます。
院長やスタッフが考える現状の改善すべき点が「何となくそう感じる」ではなく、「患者さんの声として見える」ことで、取り組む優先順位が明確になります。
スタッフ指導の場面でも、「院長の考え」ではなく「患者さんからの意見」として共有できるため、受け止められ方が変わることも少なくありません。
例えば、スタッフの接遇に関して、
「院長から指導を行うべきだが、余計な波風を立てたくない」
「院長から指導を行うべきだが、直接見ている訳ではないから注意しにくい」
という場合などは、アンケートをもとに指導を行うとよいでしょう。
さらに、良い評価や感謝の言葉は、スタッフのモチベーション向上につながる貴重な材料にもなります。
05:アンケートを実施する際の注意点
一方で、アンケートはやり方を誤えると逆効果になることもあります。
・質問項目が多すぎて患者さんが負担に感じる
・結果を集めただけで活かされない
・スタッフに共有されない
・否定的な意見だけが強く印象に残ってしまう
こうしたケースでは、「やらなければよかった」と感じてしまうでしょう。
06:アンケートを実施する際のポイント
上記のようなケースを避けるためには、
・患者さんの負担を減らすため、紙だけでなくWEBでも実施する
・項目は出来るだけ少なく目的を絞る
・回答を閲覧するスタッフを限定する
・アンケートの実施から改善までの担当者を決める
などの対策が考えられます。
また、定期的に必ず実施しなければならないものでもありません。医院の節目や、何かを見直したいと感じたタイミングで十分です。
ただし、患者数が少なく余裕がある時期は基本的に患者さんの満足度は高くなる傾向があるため、あえて繁忙度が高い時期に行い、改善すべき点をあぶり出すというのもひとつの手です。
アンケート結果から、すべての意見を改善しようとしなくて構いません。
「読んで、考えて、ひとつだけ変えてみる」それだけでも、アンケートを行う意味はあります。
07:まとめ
実は、患者アンケートの価値は、結果そのものだけにあるわけではありません。
「患者さんの声を聞こうとしている」
という姿勢そのものが、医院への信頼につながることもあります。
アンケートに答えるかどうかに関わらず、その存在を知るだけで、患者さんが感じる安心感が高まる場合もあるのです。
患者アンケートは義務ではありません。やらなければならないものでもありません。しかし、医院を客観的に見つめ直すための数少ない手段のひとつであることは確かです。
正解を探すためではなく、ズレに気づくためのツールとして、必要なときに、無理のない形で活用してみてはいかがでしょうか。
本コラムが、クリニックの情報発信方法を検討する際の一助となれば幸いです。
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