令和4年度オンライン診療報酬改定の医学管理料について
本記事は「オンライン診療を行った場合の医学管理料」について、経営コンサルタントの百合草が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
〈目次〉
1.オンライン診療の医学管理料に係る評価の見直し
過去、令和2年度の診療報酬改定では、情報通信機器を活用した診療について、対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、下記のオンライン診療料が設けられました。
今回の改定において、オンライン診療については、令和2年度診療報酬改定における見直しに加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う時限的・特例的な対応が2020年4月から実施されたことに伴う影響、さらに、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の見直しが行われました。
<今回(令和4年度)新たに設定された項目>
【情報通信機器を用いた場合の評価】
初診料(情報通信機器を用いた場合) 251点
再診料(情報通信機器を用いた場合) 73点
外来診療料(情報通信機器を用いた場合) 73点
これまでのオンライン診療料(71点)を廃止した上で、初診料、再診料(外来診療料)の中で「情報通信機器を用いた場合」として新たに点数を設定しました。
オンライン診療による初診は251点で、時限的・特例的に認められている電話・オンライン診療による初診料(214点)からも大幅に引き上げられました。
再診料は73点で、対面診療と同じ点数となります。
2.オンライン診療を用いた場合の点数
オンライン診療を用いた場合の医学管理料において、対面診療における医学管理料の約87%の点数を算定できるようになりました。
例えば、対面診療の際、皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ)は250点を算定できますが、オンライン診療を用いた場合にも218点を算定することができます。
これにより、多くの医学管理料で評価が引き上げられることになりました。
3.オンライン診療の対象から除外・追加、評価の見直しがされた医学管理料
オンライン診療の医学管理料についての見直しにより、地域包括診療料、認知症地域包括診療料、生活習慣病管理料は本来、検査料も包括されていることから「情報通信機器を用いた場合」の評価対象から除外されました。
その上で、以下6項目が評価の見直し、14項目が評価対象に追加となりました。
【評価の見直しがされた医学管理料】
・特定疾患療養管理料
・小児科療養指導料
・てんかん指導料
・難病外来指導管理料
・糖尿病透析予防指導管理料
・在宅自己注射指導管理料
【改定で追加となった項目】
・ウイルス疾患指導料
・皮膚科特定疾患指導管理料
・小児悪性腫瘍患者指導管理料
・がん性疼痛緩和指導管理料
・がん患者指導管理料
・外来緩和ケア管理料
・移植後患者指導管理料
・腎代替療法指導管理料
・乳幼児育児栄養指導料
・療養・就労両立支援指導料
・がん治療連携計画策定料2
・外来がん患者在宅連携指導料
・肝炎インターフェロン治療計画料
・薬剤総合評価調整管理料
4.まとめ
ここまでオンライン診療を行った場合の医学管理料について、評価の見直しおよび新たに新設された項目についてお伝えしました。
また、オンライン診療を行える対象疾患も広がりをみせています。
具体的な対象疾患においては、日本医学会連合作成「オンライン診療の初診に適さない症状」(以下「日本医学会連合 オンライン診療の初診に関する提言」に記載)をご参照ください。
【日本医学会連合 オンライン診療の初診に関する提言】
https://www.jmsf.or.jp/news/page_872.html
(一般社団法人 日本医学会連合より)
新型コロナウイルス感染症により、オンライン診療の需要はますます加速するものと予測されます。
今回の改定を踏まえて、新たな可能性を模索しながら戦略を立てていただければと思います。
この記事が今後の医院経営のお役に立ちましたら幸いです。