経営計画

皮膚科

2022.09.30

皮膚科と美容皮膚科の違いについて

本記事は「皮膚科と美容皮膚科の違い」について、経営コンサルタントの西村が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。

 

 

〈目次〉

  1. 皮膚科と美容皮膚科の違い
  2. 皮膚科と美容皮膚科における経営の違い

 

1. 皮膚科と美容皮膚科の違い

 

【皮膚科とは】
「皮膚」が表記される診療科目は「皮膚科」「美容皮膚科」が代表的かと思います。
同じ皮膚を扱うにしてもどのような違いがあるのでしょうか?

 

皮膚科は基本的に皮膚疾患を治療することを目的としている場合が多く、具体的な疾患名は「アトピー性皮膚炎」「脂漏性皮膚炎」「帯状疱疹」「乾癬」など、炎症、かゆみ、痛みなどの不快な症状を伴う疾患の治療を行うことが多くなります。
そして多くの場合は健康保険が適用となり、1割~3割の自己負担で治療を行うことができ、公定価格として日本全国一律の価格が決められています。

 

つまり皮膚科は保険診療を扱うことが多くなるので、治療メニューと価格を選択する幅が非常に少なくなるというデメリットがあります。
しかし価格競争に巻き込まれることが少ないため収益を確保しやすいメリットがあります。

 

【美容皮膚科とは】
一方、美容皮膚科は不快な症状を治療することよりも、皮膚を綺麗にすること、美肌向上を目的としている場合が多く、「しみ」「肝斑」「くすみ」「たるみ」「しわ」「毛穴」「にきび跡」などの改善、「ほくろ除去」「脱毛」を行う治療が多くなります。
そしてほとんどの治療が健康保険適用外となり、費用はクリニックによって決めることができる自由診療という形になります。

 

つまり美容皮膚科は自由診療による治療方法を扱うことが多くなるので、治療メニューと価格を比較的自由に決定できるため幅が広がりやすいメリットがあります。
しかし価格競争に巻き込まれやすく、適正な価格設定をしていない場合は、患者数が増えず、収益が確保しにくくなるというデメリットがあります。

 

2. 皮膚科と美容皮膚科における経営の違い

 

皮膚科と美容皮膚科では上記のような違いがあります。

 

皮膚科においては治療メニューや価格など選択の幅が少ないため、概ね決まった診療を行うことが多くなります
そのため的確な診断を行い治療をする、皮膚科ならではの保険診療における専門性の高い診療を行う、適切な接遇を徹底するなどが他院との差別化には必要です。

 

一方で美容皮膚科は選択の幅が広くなるので、治療や施術メニューを流行に合わせて常に取捨選択し、収益を考えながら価格を近隣相場や社会情勢に合わせることが重要となります。
また自由診療だからこそ接遇に対しては保険診療以上に求められることも多く、院内での教育体制の徹底・カウンセリング体制の強化は勿論のこと、自院にしかできない美容施術や差別化した施術を行うことも大切です。

 

皮膚を扱うことは同じかもしれませんが、皮膚科と美容皮膚科を経営する上では双方の特性に合わせた経営方針、提供するサービス、対象とする患者などを決めていくことが大切です。