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2022.01.20

初診料はどのタイミングで取ればいい?

本記事は「初診料算定のタイミングと注意点」について、経営コンサルタントの中角が医師のために記載した文書です。

令和4年度診療報酬改定について詳しく知りたい先生は小冊子セミナーもご覧ください。

 

 

 

目次

  1. 初診料と再診料の定義
  2. 初診料を算定できるタイミング
  3. 初診料を算定する際に気をつけるべきポイント
  4. まとめ

 

 

 

1.初診料と再診料の定義

 

 

 

初診料・再診料の定義を改めて振り返ります。

 

初診料と再診料は、患者さんを診察した際に診断料として、必ずどちらかを算定できます。

 

原則として初診料は患者さんが文字通り1回目の診察の時に算定できます。そして2回目以降、治療の継続という場合は再診料という形になります。

 

初診料と再診料では加算できる項目には違うものと同じものがあり

 

【違うもの】

【同じもの】

●初診:乳幼児加算・小児特例加算など

時間外等加算など

●再診:外来管理加算・明細書発行体制等加算など

 

となっています。

 

 

初診料と再診料の違いを十分に理解することで加算できるものも違ってきますので、算定を正しく取ることは非常に大切です。

 

 

 

2.初診料を算定できるタイミング

 

 

初診料を算定できるタイミングをみていきます。こちらも当たり前かと思いますが2回目以降の患者さんは全て再診となるかというとそうではありません。初診料の算定の『タイミング』というものが決められており、何点か条件を満たす患者さんであれば、同月に2回初診料を算定することも可能になります。

 

その大きな条件は以下の通りです。

 

  • 1回目の算定の際に付けていた疾患が全て治癒した場合、次に同じ患者さんが別の疾患で来院した時は初診で算定できます。
  • 患者さんが任意の都合で1か月以上診察に来なくなり、その後再度来院した時は同じ病名であっても初診で算定できます。

 

ここでのポイントは

  • 完全に治癒した後に違う疾患で来院という部分と、
  • 患者さんの都合で1か月以上治療が中断されたという部分の2つです。

このどちらかの条件を満たす患者さんは原則として初診料を算定できます。

 

 

 

3.初診料を算定する際に気をつけるべきポイント

 

 

 ここからは具体的な例を出しながら、初診料と再診料の区別はどうなるかをお伝えします。

 

 

【例1.  治療継続中の病状があるが、また新たな病状で診察に来られた場合】

 

こちらは、再診になります。

 

なぜなら先に問題になっていた疾患が治癒していないからです。この場合は、違う疾患で来院された場合でも再診ということになります。

 

円形脱毛症で定期的に通院されている患者さんが、ある日虫刺されで診察に来られた場合は再診となる形です。

 

また、複数の診療科目が同一病院内にある場合においては、同日複数科初診料というものがあります。1つの科で治療中の患者さんがもう1つの科で新しく受診をすることになった場合において、同日であれば同日複数科初診料を算定できます。ただその場合2つ目の診療科目での初診料は通常282点の半額である141点になります。

 

2つの診療科目を同日に受診することがポイントのため別日であれば初診であっても再診料の算定となります。

 

 

【例2.  糖尿病で定期通院していた患者さんが、半年ほど通院がない状態になった。ところがつい先日病状が悪化したので診てほしいと来られた場合】

 

こちらも再診となります。

 

上記でお伝えしたように、「患者さん自身の都合で1か月以上経過した場合は、同病状であっても初診料を算定できる」とありましたが今回の場合の糖尿病は一生付き合っていかないといけない慢性的な疾患になっています。このような慢性的な疾患の場合は原則として期間が空いても初診としては扱わないというルールがあります。

 

例外としましては、基本的に慢性疾患の患者さんの場合は定期的な通院が必要になりますので、原則3か月以上経過しても受診していなかった慢性疾患の患者さんの容態が急性的に悪化し、久しぶりに受診する場合には初診料を算定することは可能とされています。ただし、その期間が何カ月以上空けば算定可能であるといった判断は都道府県ごと等で異なる場合もあります。

 

 

【例3.  11月1日に湿疹で患者さんが来院された。検査と1週間分の薬を渡し、また1週間後に様子を見ますから来てくださいと伝えたが来院されず、12月3日に病状が悪化しましたといって来院された場合。】

 

こちらも、再診になります。

 

1か月以上経っているのになぜと思うかもしれませんが、ここでのポイントは「治療が1か月以上中断された」という部分の「治療が指す期間」をどこからに定義するかが焦点になります。この場合ですと薬を1週間分出していますので、薬がなくなった11月8日からの1か月間というのが正しい期間になります。この場合ですと、12月8日以降のご来院の場合は初診料を算定できるということになります。

 

 

【例4. 健康診断で発見した病気の治療を始める場合】

 

こちらも、再診となります。

 

病状を発見した先生が、その治療を開始する場合は、健康診断の料金の中に初診料が含まれていると見なされるからです。ただし、違う医療機関で健康診断を受けた患者さんが違う病院で治療を受けるという場合は初診料として算定できます。ちなみに健康診断と同日に当該医療機関で治療をする場合は初診料も再診料も算定不可能になっています。

 

 

【例5. 新型コロナワクチン接種を受ける患者さんのために検査をした場合】

 

こちらは、初診も再診も算定できません。

 

新型コロナワクチン接種の際は接種前に行う予診(問診、検温及び診察)と接種後の患者さんの経過観察がひとくくりの診療セットという形で義務付けられています。

 

そのため、新型コロナワクチン接種のために行う予診の際には初診料・再診料等を算定できないという特別なルールができています。また、予防接種後において当該医療機関で健康状態の経過を観察していた患者さんに対して、検査の必要性が出た場合においても初診料・再診料等の算定は不可能になっています。

 

ただし、上記の経過観察時における診察中に処置・投薬などの診療の必要性が生じた場合には、実際に行った処置に応じた診療報酬項目の算定が可能です。

 

また、新型コロナワクチンを接種する際の予診と接種後の経過観察を実施した同日に、当該医療機関において「別の傷病」の診察をした場合は、初診料または再診料、外来診療料を算定することが可能となっています。

 

 

4.まとめ

 

 

初診料を算定できるタイミングは大きく2つ。

  1. 完全に治癒した後に違う症状で来院。
  2. 患者さんの都合で1か月以上治療が中断。

 

初診料の算定ができない場合

  1. 治療継続中の病気がある場合での違う病状での来院。
  2. 原則として慢性的な病状の場合は期間が空いても初診料としては扱わない。
  3. 薬の処方がある場合は、その薬が切れてから1か月以上の経過が必要。
  4. 健康診断で発見した病気の治療を当該医療機関で始める場合。
  5. 新型コロナワクチン接種のための予診(問診、検温及び診察)と経過観察時に改めて診察が必要になった場合。(ただし、処置・投薬などの診療の必要性が生じた場合には、実際に行った処置などに応じた診療報酬項目の算定が可能。)

 

昨今における診療報酬の算定において、新型コロナウイルスによる特例の措置等が採択されたために、日常の医院運営の中で普段通りにいかないケースやこれは算定できるのか等の疑問が生まれたこともあったかと思います。今回の記事も医師や医療事務の方の復習にお使いいただけましたら幸いです。

 

診療報酬に関しましては、新型コロナウイルスによる臨時的な措置等もあり、全国の先生から質問を受けることも多いです。ご不安なことや心配なことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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