【2024年6月更新】皮膚科特定疾患指導管理料とは
本記事は「皮膚科特定疾患指導管理料」について、経営コンサルタントの西村が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
〈目次〉
- 皮膚科特定疾患指導管理料とは
- 皮膚科特定疾患指導管理料ⅠとⅡの違い
- 皮膚科特定疾患指導管理料を算定できる標榜科
- 皮膚科特定疾患指導管理料を算定できるタイミングと回数
- 皮膚科特定疾患指導管理料とオンライン診療
- 2026年【令和8年度】診療報酬改定 「特定疾患療養管理料」算定要件の見直しについて
- まとめ
1. 皮膚科特定疾患指導管理料とは
皮膚科特定疾患指導管理料は、以下に記載する疾患に罹患している患者に、計画的な医学管理を継続して行い、かつ療養上必要な指導を行ったことを評価する管理料になります。
一般的な皮膚科医院においては比較的算定する頻度が高い管理料かと思います。
このコラムでは皮膚科特定疾患指導管理料について、そして令和4年4月から施行された診療報酬改定にて定められた、オンライン診療時に算定できる管理料に皮膚科特定疾患指導管理料が追加されたことについてお伝えします。
■皮膚科特定疾患指導管理料の診療報酬点数
皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ) 250点
皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅱ) 100点
2. 皮膚科特定疾患指導管理料IとⅡの違い
皮膚科特定疾患指導管理料ⅠとⅡは点数の違いだけではなく、算定できる疾患が異なります。
該当する疾患は以下の通りです。
【皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ)】
・天疱瘡
・類天疱瘡
・エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)
・紅皮症
・尋常性乾癬
・掌蹠膿疱症
・先天性魚鱗癬
・類乾癬
・扁平苔癬並びに結節性痒疹及び
その他の痒疹(慢性型で経過が1年以上のものに限る。)
【皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅱ)】
・帯状疱疹
・じんま疹
・アトピー性皮膚炎
(16 歳以上の患者が罹患している場合に限る。)
※アトピー性皮膚炎については、外用療法を必要とする場合に限り算定できる。
・尋常性白斑
・円形脱毛症
・脂漏性皮膚炎
3. 皮膚科特定疾患指導管理料を算定できる標榜科
皮膚科、皮膚泌尿器科又は皮膚科及び泌尿器科、形成外科若しくはアレルギー科を標榜する保険医療機関が算定することができます。
他の診療科を併せ標榜するものにあっては、皮膚科又は皮膚泌尿器科を専任する医師が本指導管理を行った場合に限り算定することができます。
ただし同じ医師が同じ保険医療機関が標榜する、他の診療科を併せて担当している場合は算定できないこととされています。
4. 皮膚科特定疾患指導管理料を算定できるタイミングと回数
1回目の皮膚科特定疾患指導管理料の算定は、上記に記載した疾患において初めて診察を行った日、入院している場合は退院した日から1ヶ月を経過した日以降に算定することができます。
算定の回数は月に1回のみ算定できます。ただし皮膚科特定疾患指導管理料Ⅰと皮膚科特定疾患指導料Ⅱを同じ暦月で算定することはできません。
また診療計画及び指導内容の要点をカルテに記載する必要があるので、この点は注意が必要です。
5. オンライン診療における皮膚科特定疾患指導管理料の算定
皮膚科特定疾患指導管理料においてはオンライン診療による算定が可能となっています。
算定要件は上述した内容と同じですが、点数においては対面診療を行った場合とオンライン診療を行った場合と若干の差異があります。
情報通信機器を用いた場合の皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ) 218点
情報通信機器を用いた場合の皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅱ) 87点
対面診療のおよそ87%の点数が定められていますが、いずれにしても従来のオンライン診療と比較すれば点数は確保しやすくなるかと思います。
6.2026年【令和8年度】診療報酬改定項目について
2026年(令和8年度)診療報酬改定では、特定疾患療養管理料の見直しが予定されており、皮膚科特定疾患指導管理料を含む各種医学管理料において、新たな施設基準が求められる方向性が示されています。
■ 改定のポイント:長期処方・リフィル処方の推進
今回の改定では、長期処方およびリフィル処方箋の適切な活用を推進する観点から、計画的な医学管理の継続を評価する仕組みへと見直しが行われます。
また、処方箋様式についても見直しが予定されています。
対象となる主な管理料は以下の通りです。
・特定疾患療養管理料
・皮膚科特定疾患指導管理料
・婦人科特定疾患治療管理料
・耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料
・二次性骨折予防継続管理料
・小児科外来診療料
■ 新たに求められる対応内容
これらの管理料を算定する際には、以下の対応が必要となる見込みです。
✔ 患者の状態に応じて、28日以上の長期投薬に対応できること
✔ リフィル処方箋の交付に対応できる体制を整備すること
✔ これらの対応が可能である旨を院内の見やすい場所に掲示すること
✔ 患者から希望があった場合、状態を踏まえて適切に対応すること
■ 改定の背景と皮膚科への影響
近年、外来医療では効率化と継続的な医学管理の両立が重視されており、通院頻度の適正化や患者負担軽減が政策的に推進されています。今回の改定は、こうした流れの中で長期処方やリフィル処方をより活用しやすくすることを目的とした見直しといえるでしょう。
7. まとめ
本記事では、皮膚科特定疾患指導管理料の概要と、オンライン診療における算定のポイント、そして2026年(令和8年度)診療報酬改定の方向性について解説しました。
令和4年改定により、皮膚科でもオンライン診療で管理料の算定が可能となったことで、従来は処方箋料中心であったオンライン診療に新たな活用の幅が生まれました。
一方で、診療効率や運用面の負担など、対面診療とは異なる課題があることも事実であり、自院に合った導入・運用設計が重要になります。
さらに令和8年度診療報酬改定では、長期処方やリフィル処方への対応体制が施設基準として求められる方向となり、外来診療の在り方にも変化が生じる可能性があります。
皮膚科ではセルフケアの質が治療経過に影響しやすいため、通院間隔の見直しと適切な患者フォローの両立が、今後より重要なポイントになるでしょう。
オンライン診療や長期処方の活用は、患者の利便性向上だけでなく、通院負担の軽減や継続的な治療管理の効率化につながる可能性があります。
制度改定の方向性を踏まえながら、自院の診療スタイルや患者ニーズに合わせた運用を検討していくことが、今後の医院経営において重要になるでしょう。
本記事が、今後の診療体制や医院運営を見直す際の参考になれば幸いです。
