外来在宅共同指導料
本記事は「外来在宅共同指導料」について、主任経営コンサルタントの池田が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
<目次>
1.外来在宅共同指導料とは
継続的に外来で受診している患者が在宅医療に移行する際に、外来担当医と在宅担当医が連携して指導等を行った場合に、外来担当の保険医療機関、在宅担当の保険医療機関でそれぞれ算定可能な診療報酬です。
■外来在宅共同指導料の診療報酬点数
外来在宅共同指導料
外来在宅共同指導料1 400点
外来在宅共同指導料2 600点
このうち外来在宅共同指導料1(400点)は在宅医療を担当する医療機関で算定し、外来在宅共同指導料2(600点)については外来医療を担当していた医療機関が算定します。
なお、それぞれ1人の患者につき1回のみ算定可能となっており、1度算定したらそれ以降は算定した患者に対しては算定できません。
2.外来在宅共同指導料算定対象の患者
継続して4回以上外来を受診した患者で、在宅での療養に移行する患者が対象となります。
尚、他の保険医療機関や社会福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅その他施設等に入院または入所する患者は対象となりません。
上記を踏まえると、原則外来診療から自宅での在宅療養に移行する患者が対象となります。
3.外来在宅共同指導料の算定要件
外来在宅共同指導料1の算定のポイントは以下の6点です。
1)在宅医療を担う医療機関である
2)患者は外来を担う医療機関を4回以上継続して受診している
3)患者が在宅医療に移行することに同意している
4)患者の同意を得て患家を訪問して在宅療養上必要な説明、指導を行う
5)4)を外来担当医療機関と共同で行う
6)4)を文書により患者に情報提供を行う
外来在宅共同指導料2の算定のポイントは以下の6点です。
1)外来医療を担う医療機関であること
2)患者が自院を継続的に4回以上受診していること
3)患者が在宅医療に移行することに同意していること
4)患者の同意を得て患家を訪問して在宅療養上必要な説明、指導を行う
5)4)を在宅担当医療機関と共同で行う
6)4)については情報通信機器を用いてもよい
いずれの算定においても患者が在宅医療に同意していることが前提となりますが、患者へ在宅医療に移行することの説明、同意を得る際には外来医療機関で説明を行い、同意書など書面で同意を得て外来担当医療機関、在宅担当医療機関双方が確認できる状態にしておくことをお勧めします。
共同指導は、外来担当医療機関と在宅担当医療機関の担当医が患家を共同で訪問することが原則となります。ただし、在宅医療を担う医師は患家を訪問することが必須要件となりますが、外来医療を担う医師は訪問の代わりに情報通信機器を用いて患者に説明、指導を行うことでも算定が可能です。
4.外来在宅共同指導料と併算定できないもの
外来在宅共同指導料2を算定する医療機関(外来担当医療機関)では、外来在宅共同指導料2を算定する際に、
・初診料
・再診料
・外来診療料
・往診料
・在宅患者訪問診療料(I)
・在宅患者訪問診療料(II)
は算定できません。
5.外来在宅共同指導料のまとめ
最後に外来在宅共同指導料のおさらいです。
・外来在宅共同指導料1は在宅医療担当医療機関が算定可能
・外来在宅共同指導料2は外来医療担当医療機関が算定可能
・患者の同意を得たうえで患家を訪問し在宅療養上必要な説明、指導が必要
・外来担当医療機関の医師は情報通信機器を用いての共同指導でも可能