診療報酬

小児科

2021.06.04

乳幼児感染予防対策加算

本記事では「乳幼児感染予防対策加算」について、小児科コンサルタントの西山が医師のために記載した文書です。

 

<目次>

  1. 乳幼児感染予防対策加算とは
  2. 乳幼児感染予防対策加算の算定要件
  3. 乳幼児感染予防対策加算の対象者
  4. 乳幼児感染予防対策加算の算定できる期間
  5. 小児の外来診療等において「特に必要な感染予防策」とは
  6. 乳幼児感染予防対策加算と医科外来等感染症対策実施加算との併算定
  7. 電話や情報通信機器を用いた診療を実施した場合

 

 

01. 乳幼児感染予防対策加算とは

 

6歳未満の患者に対して、初・再診料、外来診療料、小児科外来診療料、小児かかりつけ診療料の算定時に「乳幼児感染予防策加算」 として、100点を加算できる算定項目です。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、厚生労働省から2020年12月15日より臨時的に発表されました。

 

02. 乳幼児感染予防対策加算の算定要件

 

本加算を算定するためには以下の算定要件を満たす必要があります。

 

  1. 患者が6歳未満であること
  2.  診察するにあたって必要な感染予防策を講じていること
  3.  患者又はその家族等に対して、院内感染防止対策を行っている旨を十分に説明し、本加算の算定について同意を得ること

 

03. 乳幼児感染予防対策加算の対象者

 

6歳未満の乳幼児が対象となります。同伴した保護者の診察に対して算定はできません。

 

04. 乳幼児感染予防対策加算の算定できる期間

 

本加算の算定期間は、2020年12月15日診療分~2021年9月診療分までです。

※2020年12月15日に発出された「 厚労省事務連絡(その31) 」では2021年2月診療分までと算定期間が設定されていましたが、2021年2月26日に発出された「 厚労省事務連絡(その35) 」によって、 2021年9月診療分まで算定期間が延長されました。

 

▼「 厚労省事務連絡(その31) 」の詳細はこちら

https://www.mhlw.go.jp/content/000705761.pdf

 

▼「 厚労省事務連絡(その35) 」の詳細はこちら

https://www.mhlw.go.jp/content/000746419.pdf

 

05. 小児の外来診療等において「特に必要な感染予防策」とは

 

感染予防策として下記のような対応が一例に挙げられます。

 

  • COVID-19 に特徴的な症状はなく、小児では出現しても訴えとして現れることが期待できないことから、一人の患者ごとに手指消毒を実施すること。
  • 流行状況を踏まえ、家庭内・保育所内等に感染徴候のある人がいたか、いなかったのかを確実に把握すること。
  • 環境消毒については、手指の高頻度接触面と言われるドアノブ・手すり・椅子・スイッチ・タッチパネル・マウス・キーボードなどは定期的に 70~95%アルコールか 0.05%次亜塩素酸ナトリウムを用いて清拭消毒し、特に小児が触れる可能性が高い場所は重点的に行うこと。

※【参考資料】厚労省事務連絡(その31)

小児の外来診療におけるコロナウイルス感染症 2019(COVID-19)診療指針

 

06. 乳幼児感染予防対策加算と医科外来等感染症対策実施加算との併算定

 

2021年2月26日に発出された「 厚労省事務連絡(その35) 」において、2021年4月より「医科外来等感染症対策実施加算」の算定を臨時的に認めることが発表されました(外来1回につき5点、21年9月診療分まで)。

 

本加算は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、誰もがウイルスを保有している可能性があることを考慮して、全ての患者の診療で感染予防策の徹底が必要であることを踏まえて設けられた加算で、「乳幼児感染予防対策加算」と同じく院内の感染予防策を講じた上で患者に説明および同意を得ることで算定可能です。

 

「乳幼児感染予防対策加算」と「医科外来等感染症対策実施加算」との併算定は認められているため、実質105点(100点+5点)の加算をすることができます。

 

07. 電話や情報通信機器を用いた診療を実施した場合

 

「乳幼児感染予防対策加算」は、“来院した患者さんに対して必要な感染予防策を講じているかどうか?”がポイントになるため、電話や情報通信機器を用いたオンライン診療は算定要件を満たしません。

 

 


今回ご紹介した乳幼児感染予防対策加算の他にも、院内トリアージ実施料や医科外来等感染症対策実施加算など、新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な特例加算は医業収入にプラスになる反面、「算定要件」や「算定期間」を把握した上で適切に算定を実施しないと、患者から説明を求められた際にトラブルとなる可能性があります。

 

そのため、自院の勤務医をはじめスタッフにも

「自院ではどの様な患者さんに対して、どういう条件のもと特例加算を実施しているか?」

自院の統一した方針を周知し、患者から算定について質問を受けた際も全員が回答できる体制を整えておくことが大切です。

 

 

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