「特定機能病院等紹介患者受入加算」について
本記事は「特定機能病院等紹介患者受入加算」について、取締役の尾﨑が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
<目次>
1.特定機能病院等紹介患者受入加算とは
2026年(令和8年)の診療報酬改定で「特定機能病院等紹介患者受入加算」が新設されました。
特定機能病院等紹介患者受入加算 60点
この加算は大病院から地域のクリニックへ逆紹介を促進し、連携を強化することが目的です。
急性期・高度医療を担う大病院と、地域のかかりつけ医を担うクリニックの役割分担を評価する仕組みになっています。
医療資源を地域で効率的に回すことで、患者さんの流れをスムーズし、地域医療の安定化を目指します。
2.算定対象について
| 【対象施設】 ・診療所または200床未満の病院 【紹介元要件】 ・特定機能病院/地域医療支援病院/紹介受診重点医療機関/400床以上の病院(特定機能病院以外は200床以上) |
※この算定は初診時のみ算定可能で再診には原則適用されません。
(別疾患での初診など、別の初診と判断できるケースは算定できる可能性があります。)
【対象病院リスト】
特定機能病院
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001596327.pdf
地域医療支援病院
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001594015.pdf
紹介受診重点医療機関
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001102730.pdf
3.算定要件のポイント
①紹介元の要件
紹介元が算定要件を満たしていることを確認する必要があります。地域の基幹病院のリストを作成し、受付スタッフが即座に判断できる体制を整えることが望ましいです。
②紹介状の確認
紹介状(診療情報提供書)があることが前提です。口頭や電話での紹介は原則算定不可となりますので、必ず文書で紹介を受ける必要があります。
③初診時の記録
カルテに紹介元の医療機関名、紹介状の有無、受領日、紹介理由を記録しておきましょう。後日、算定時の対応が楽になるよう、初診時点で漏れのないようにします。
④他の加算との関係
初診料には様々な加算があります。この加算は「初診料に対する加算」です。機能強化加算など他の加算との併算定の整合性を確認しましょう。
⑤患者説明
「大病院からの紹介で初診時に加算がつく」という説明を、患者さんに一言伝えると患者満足度の向上に繋がると思われます。
4.実務運用の3ステップ
実際に運用していく上で、3ステップで整備しましょう。
| 【ステップ1:受付での確認フロー】 ・受付時に紹介状を受け取ったら、以下をチェックします。 □紹介元の医療機関名が該当リストにあるか □紹介日付が妥当か □初診であることの要件を満たしているか |
↓
| 【ステップ2:カルテ記載のテンプレート化】 ・電子カルテの定型文を登録し、以下を記載します。 「○○病院からの紹介に初診、診療情報提供書あり、受領日:YYYY/MM/DD 受診理由:○○、特定機能病院等紹介患者受入加算」 |
↓
| 【ステップ3:レセプトチェック体制】 ・月末のレセプト点検で、紹介状のある初診患者の加算漏れを確認します。 ・要件を満たさないにも関わらず、算定してしまっているケースも点検します。 |
5.Q&A
Q:紹介状の日付が古い場合はどうすれば良いですか。
A:一般的には紹介状の日付から1~3ヵ月程度経過していると算定が認められない可能性があります。
判断に迷う場合は、再度、紹介元に紹介状を依頼するのが安全です。
Q:200床未満の病院から紹介を受けた場合、算定できますか。
A:算定要件に一般病床200床以上であることが要件とありますので、おそらく算定できないかと思います。
Q:複数回受診している患者さんがもう一度紹介状を持ってきた場合、どうなりますか。
A:特定機能病院等紹介患者受入加算は初診時のみ算定可能で、再診時には原則算定できません。
ただし、別の疾患で新たな初診と判断できる場合は算定できる可能性があります。
6.経営面でのメリット
経営面でのメリットは大きく3つあると考えられます。
①収益の増加
月に10人の紹介患者を受け入れれば、60点×10=600点、つまり6,000円相当の増収になります。年間72,000円と少し小さく見えますが、その後、再診等に繋がってくれることを考えれば確実な積み上げとなると考えられます。
②患者さんの定着
大病院からの紹介患者さんは、その後もかかりつけ医として継続受診する可能性が高いと思われます。安定した患者さんの獲得にも繋がります。
③地域連携の強化
基幹病院との関係が深まれば双方向の紹介がスムーズになり、クリニックの地域での存在感が高まると考えられます。
7.まとめ
「特定機能病院等紹介患者受入加算」は準備さえ整えれば、確実に算定可能であり、地域連携の強化と安定した収益の基盤づくりに寄与します。まずは対象医院機関のリスト作成、受付フローとカルテテンプレの整備、そしてスタッフへの周知の3点を取り組むことをお勧めします。
この記事が今後の医院経営にお役立てできれば幸いです。
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