短期滞在手術等基本料について
本記事では短期滞在手術等基本料について、経営コンサルタントの澁谷が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
<目次>
- 短期滞在手術等基本料とは
- 短期滞在手術等基本料の算定要件
- 短期滞在手術等基本料の施設基準
- 短期滞在手術等基本料に包括される検査等
- 短期滞在手術等基本料1の対象手術等と算定点数
- 短期滞在手術等基本料3の対象手術等と算定点数
- まとめ
1. 短期滞在手術等基本料とは
短期滞在手術等基本料は、医療資源の効率化と患者の負担軽減を目的とし、日帰り及び4泊5日以内の入院による手術や検査、放射線治療について包括的な評価を行うために設けられた制度です。
手術等の実施形態により区分が分けられます。
短期滞在手術等基本料1:日帰りで行う場合
短期滞在手術等基本料3:4泊5日までの短期入院で行う場合
※短期滞在手術等基本料2(1泊2日)は2022年度(令和4年度)診療報酬改定で廃止されました。
短期滞在手術等基本料1は届出が必要、短期滞在手術等基本料3は届出が不要です。
2.短期滞在手術等基本料の算定要件
短期滞在手術等基本料1・3共通の算定要件は以下の3つです。
1)手術室を使用していること(★を算定する場合を除く)
※内視鏡を用いた手術を実施する場合は手術室ではなく内視鏡室の使用も可。
★D237 終夜睡眠ポリグラフィー 3 1及び2以外の場合 イ 安全精度管理下で行うもの
★D237 終夜睡眠ポリグラフィー 3 1及び2以外の場合 ロ その他のもの
★D237-2 反復睡眠潜時試験(MSLT)
★D287 内分泌負荷試験 1 下垂体前葉負荷試験 イ 成長ホルモン(GH)(一連として)
★D291-2 小児食物アレルギー負荷検査
★D413 前立腺針生検法 2 その他のもの
2)手術等の実施前に十分な説明を行い、患者から同意を得ること
3)退院翌日に患者の状態を確認する等のフォローアップを十分行うこと
短期滞在手術等基本料1については、加えて
「退院後概ね3日間、患者が1時間以内で当該医療機関に来院可能な距離にいること」も算定要件となっています。
2026年度(令和8年度)診療報酬改定で以下の手術を行った場合に入院日から起算して5日までの期間に限り、入院手術対応加算として所定の点数を加算するという要件が追加されました。

3.短期滞在手術等基本料の施設基準
<短期滞在手術等基本料1>
・術後の患者の回復のために回復室が確保されていること
・看護師が常時患者4人に1人の割合で回復室に勤務していること
・短期滞在手術等基本料に係る手術(全身麻酔を伴うものに限る)が行われる日において、麻酔科医が勤務していること
回復室については、パーテーションやカーテンで仕切られた個室ではないスペースでも認められているためクリニックでも算定可能です。しかし、「入院料等」の中で寝具についての基準が明記されており、その基準を満たしていない場合は短期滞在手術等基本料の算定は不可となっているため注意が必要です。
【寝具の基準】
1)敷布団(マットレスパッドを含む)、掛布団(毛布、タオルケット、綿毛布を含む)、シーツ類、枕、枕覆等が用意されている。
2)寝具類は常時清潔な状態で確保されており、シーツ類は週1回以上交換されている。
3)消毒は必要の都度行われている。
こちらの施設基準は対象手術等のうち、検査のみを実施する保険医療機関には該当せず、届出書への記載も不要となっています。
以下の検査のみを実施する場合は、上記の施設基準を満たしていなくても届出が可能です。
★D237 終夜睡眠ポリグラフィー 3 1及び2以外の場合 イ 安全精度管理下で行うもの
★D237 終夜睡眠ポリグラフィー 3 1及び2以外の場合 ロ その他のもの
★D237-2 反復睡眠潜時試験(MSLT)
★D287 内分泌負荷試験 1 下垂体前葉負荷試験 イ 成長ホルモン(GH)(一連として)
★D291-2 小児食物アレルギー負荷検査
★D413 前立腺針生検法 2 その他のもの
<短期滞在手術等基本料3>
※2026年度(令和8年度)診療報酬改定において変更
・病院であること
・外来での手術に係る実績を一定程度有していること
これまで「DPC対象病院又は診療所ではないこと」が短期滞在手術等基本料3の施設基準でしたが「病院であること」に変更となりました。
また、「外来での手術に係る実績を一定程度有していること」という施設基準が追加されました。
4.短期滞在手術等基本料に包括される検査等
短期滞在手術等基本料は包括評価のため、以下の検査等が短期滞在手術等基本料に包括されています。
<短期滞在手術等基本料1>
尿中一般物質定性半定量検査 血液形態・機能検査の一部
出血・凝固検査の一部 血液化学検査の一部 感染症免疫学的検査の一部
肝炎ウイルス関連検査の一部 血漿蛋白免疫学的検査の一部
心電図検査 写真診断 撮影 麻酔管理料(Ⅰ)及び (Ⅱ)
<短期滞在手術等基本料3>
入院基本料 入院基本料等加算 医学管理等
在宅医療(在宅療養指導管理料,薬材料,特定保険医療材料料を除く)
検査 画像診断 投薬(退院時の投薬、除外薬剤・注射薬を除く)
注射(除外薬剤・注射薬を除く) リハビリテーション
精神科専門療法 処置(人工腎臓を除く) 手術 麻酔
放射線治療 病理診断
5.短期滞在手術等基本料1の対象手術等と算定点数
短期滞在手術等基本料1は
1)主として入院で実施されている手術を行った場合
2)それ以外の場合
に分かれ、それぞれ場合でさらに麻酔の有無に分かれます。
算定点数は以下の通りです。
1)主として入院で実施されている手術を行った場合
麻酔を伴う手術の場合 2,948点(改定前2,947点)
麻酔を伴わない手術の場合 2,719点(改定前2,718点)
2)それ以外の場合
麻酔を伴う手術の場合 795点(改定前1,588点)
麻酔を伴わない手術の場合 680点(改定前1,359点)
2026年度(令和8年度)診療報酬改定で、1)の主として入院で実施されている手術を行った場合については、麻酔の有無に関わらず1点の増点となりました。
一方で2)それ以外の場合については、麻酔を伴う手術の場合で794点の減点、麻酔を伴わない手術の場合で679点の減点となりそれぞれ約半分の算定点数への引き下げとなりました。
1)の対象手術等

2)の対象手術等

6.短期滞在手術等基本料3の対象手術等と算定点数
短期滞在手術等基本料3について、2026年(令和8年度)診療報酬改定では算定点数の見直しと対象手術等の追加が行われました。
算定点数と新たに追加された手術等は以下の通りです。
(変更)手術等の赤字は変更点

(追加)

7.まとめ
2026年度(令和8年度)診療報酬改定において、短期滞在手術等基本料1では算定要件や施設基準、対象の手術等に大きな変更はありませんでしたが、主として入院で実施される手術以外の手術等を行った際の点数が、麻酔を伴う手術の場合で793点引き下げの795点、麻酔を伴わない手術の場合で679点引き下げの680点へ変更され、それぞれ算定点数が約半分になるという改定が行われました。
短期滞在手術等基本料3では施設基準が「DPC対象病院又は診療所ではないこと」から「病院であること」へ見直され、DPC対象病院においても短期滞在手術等基本料3を算定できるようになりました。
短期滞在手術等基本料3の算定には届出は不要ですが、短期滞在手術等基本料1の算定には届出が必要ですのでご注意ください。
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