診療報酬・診療報酬改定

耳鼻咽喉科

内科

2024.03.04

【2024年度(令和6年度)診療報酬改定】在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料における情報通信機器を用いた診療に係る評価とは

本記事は「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料における情報通信機器を用いた診療に係る評価」について、主任経営コンサルタントの百合草が医師のために記載した文書です。

より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。

 

 

 

〈目次〉

  1. 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料とは
  2. 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の算定対象患者と算定要件
  3. 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料における情報通信機器を用いた診療
  4. まとめ

 

1. 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料とは

 

在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行っている外来の患者さんに対して、在宅持続陽圧呼吸療法に関する指導管理を行った場合に算定できます。
また、治療の開始後最長2か月間の治療状況を評価し、当該療法の継続が可能であると認められる症例についてのみ、引き続き算定の対象となります。
クリニックが在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定する場合には、持続陽圧呼吸療法装置は当該保険医療機関が患者に貸与する必要があります。

1 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1 2,250点
2 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2 250点

 

2. 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の算定対象患者と算定要件

 

管理料1と2の算定対象患者は下記の通りである。

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1:2,250点
以下の全ての基準に該当する患者を対象とする。
・ 慢性心不全患者のうち、医師の診断により、NYHAⅢ度以上であると認められ、睡眠時にチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数が20以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されているもの

 

・ CPAP療法を実施したにもかかわらず、無呼吸低呼吸指数が15以下にならない者に対してASV療法を実施したもの

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2:250点
以下のいずれかに該当する患者を対象とする。
・ 慢性心不全患者のうち、医師の診断により、NYHAⅢ度以上であると認められ、睡眠時にチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数が 20 以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されているもので、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1の対象患者以外にASV療法を実施した場合

 

・ 心不全である者のうち、日本循環器学会・日本心不全学会によるASV適正使用に関するステートメントに留意した上で、ASV療法を継続せざるを得ない場合

 

・ 以下の(イ)から(ハ)までの全ての基準に該当する患者。ただし、無呼吸低呼吸指数が 40 以上である患者については、(ロ)の要件を満たせば対象患者となる。
(イ) 無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数をいう。)が 20 以上
(ロ) 日中の傾眠、起床時の頭痛などの自覚症状が強く、日常生活に支障を来している症例
(ハ) 睡眠ポリグラフィー上、頻回の睡眠時無呼吸が原因で、睡眠の分断化、深睡眠が著しく減少又は欠如し、持続陽圧呼吸療法により睡眠ポリグラフィー上、睡眠の分 断が消失、深睡眠が出現し、睡眠段階が正常化する症例

 

3. 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料における情報通信機器を用いた診療

 

2024年度(令和6年度)の診療報酬改定では、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料に

厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2を算定すべき指導管理を情報通信機器を用いて行った場合は、2の所定点数に代えて、218点を算定する。

といった算定要件が新設されました。
(※「情報通信機器を用いた診療」については、下記コラムにて詳しく解説しています。 
https://www.credo-m.co.jp/column/detail/hosyu/8032/

 

つまり、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行っている患者に対して、オンライン診療により指導管理をした場合にも218点が算定できるようになりました。

 

4. まとめ

 

これまでは保険適用を受けるために、3ヶ月に1回の通院が必要でしたが、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料における情報通信機器を用いた診療が認められたことにより、オンライン診療により指導管理を行うことで対面診療は必要なくなる可能性があります。(2024年2月14日時点)

 

そのため、オンライン診療専門のクリニックが在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)に積極的に参入することが予想されます。

 

競合が増えていく上で重要なことは、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行う患者のニーズが
(1)対面診療の上、しっかり指導管理をしてほしい
(2)安定して使用できているため、なるべく早く帰らせてほしい
上記のどちらなのかを見極め、希望に沿う選択肢を用意しておくことです。

 

在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)の管理者数が多いところは勿論、まだ取り組んでいない医院においても、オンライン診療を導入すべきか検討するタイミングといえます。そして、導入するとしたら競合に先駆けていち早く導入するべきでしょう。

 

本コラムで記載している内容は、2024年2月時点での情報となりますので、導入や算定の際には、必ず最新の情報をご参照いただければと思います。

 

また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来の立ち上げ方をお知りになりたい場合は下記コラムをご参考ください。
https://www.credo-m.co.jp/jibika/jibika-consul/1440/

 

この記事が今後の医院経営のお役に立てば幸いです。

 

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