診療報酬・診療報酬改定

2024.02.14

【2024年度(令和6年度)診療報酬改定】外来・在宅ベースアップ評価料について

本記事は「外来・在宅ベースアップ評価料」について、取締役の尾﨑が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。

 

 

〈目次〉

  1. 外来・在宅ベースアップ評価料とは
  2. 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)
  3. 対象職員とは
  4. 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)
  5. まとめ

 

1. 外来・在宅ベースアップ評価料とは

 

2024年の診療報酬改定で看護師等の医療関係職種(対象は32職種)について、賃上げを実施している医療機関が初診・再診時に1日ごとに算定することができます。
本コラムは無床診療所(クリニック)向けについて解説していきます。

2. 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)

 

外来医療又は在宅医療を実施している医療機関(医科)において、勤務する看護職員、薬剤師その他の医療関係職種の『賃金の改善を実施している場合』に算定できる。

 

1初診時 6点
2再診時 2点
3訪問診療時
 イ 同一建物居住者以外の場合 28点
 ロ 同一建物居住者の場合 7点

 

〔算定要件〕
医師を除く医療に従事する職員の賃金改善を図る体制が必要。
・1と2について厚生労働省が定める施設基準に適合している場合に算定する。

 

〔施設基準〕
・外来医療又は在宅医療を実施している保険医療機関
医師を除く主として医療に従事する職員(※対象職員)が勤務していること。
・対象職員は別表1に示す職員。専ら事務作業を行うものは含まれないが、医師事務作業補助者、看護補助者等が医療を専門とする職員の補助として行う事務作業をする者は含まれる。
・令和6年度及び令和7年度において対象職員の賃金の改善を実施しなければならない。
ただし、令和6年度において、翌年度の賃金の改善のために繰り越しを行う場合においてはこの限りではない。
※対象職員の賃金に役員報酬は除かれる
※定期昇給での改善は認められない
・基本給又は決まって毎月支払われる手当(※基本給)の引上げにより改善を図ることを原則とする。賞与での引上げは対象外です。
・対象職員の基本給等を令和5年度と比較して一定水準以上引き上げた場合は、『40歳未満の勤務医』及び『事務職員』等の保険医療機関に勤務する職員の賃金の改善を行うことができる。
※対象職員の賃金に役員報酬は除かれる
※定期昇給での改善は認められない
・令和6年度及び令和7年度は勤務する職員の賃金の改善計画を作成していること。
・前号の計画に基づく職員の賃金の改善状況について、定期的に地方厚生局長等に報告すること。

 

3. 外来・在宅ベースアップ評価料の対象職員とは

 

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)に記載される賃上げ対象職員とは
薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、看護補助者、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科衛生士、歯科技工士、歯科業務補助者、診療放射線技師、診療エックス線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学技士、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士、保育士、救急救命士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師、公認心理師、診療情報管理士、医師事務作業補助者、その他医療に従事する職員(医師、歯科医師を除く)
の32職種が該当します。

 

4. 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)

 

無床診療所(クリニック)において、勤務する看護職員、薬剤師その他の医療関係職種の『賃金の改善を強化する必要がある医療機関において、賃金の改善を実施している場合』に算定できる。

 

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)(1日につき)
1外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)1
 イ初診又は訪問診療を行った場合 8点
 ロ再診時 1点
2外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)2
 イ初診又は訪問診療を行った場合 16点
 ロ再診時 2点

8外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)8
 イ初診又は訪問診療を行った場合 64点
 ロ再診時 8点

 

〔算定要件〕
・医師を除く医療に従事する職員の賃金の改善を図る体制が必要。
・厚生労働省が定める施設基準に適合している場合、当該基準に係る区分に従い算定する。
・初診については外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の1又は3を算定している患者について、再診については外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の2を算定している患者について、それぞれの所定点数を算定する。

 

〔施設基準〕
・入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料1を除く短期滞在手術等基本料の届出を行っていない保険医療機関であること。
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出を行っている保険医療機関であること。
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込みの10倍の数が、対象職員の給与総額の1分2厘未満であること。
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の保険医療機関ごとの区分は、保険医療機関における対象職員の給与総額、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み並びに外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の算定回数の見込みを用いて算出した数【A】に基づき、別表2に従い該当する区分のいずれかを届け出ること。

 

・上記について、「対象職員の給与総額」は、直近12か月の1月あたりの平均の数値を用いること。
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の算定回数の見込みは、初診料等の算定回数を用いて計算し、直近3か月の1月あたりの平均の数値を用いること。
・毎年3、6、9、12月に上記の算定式により新たに算出を行い、区分に変更がある場合は地方厚生局長等に届け出ること。
・ただし、前回届け出た時点と比較して、直近3か月の【A】、対象職員の給与総額、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み並びに外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の算定回数の見込みのいずれの変化も1割以内である場合においては、区分の変更を行わないものとする。

・当該評価料を算定する場合は、令和6年度及び令和7年度においては、対象職員の賃金の改善を実施しなければならない。ただし、令和6年度において、翌年度の賃金の改善のために繰り越しを行う場合においてはこの限りではない。
※対象職員の賃金に役員報酬は除かれる
※定期昇給での改善は認められない

・上記について、基本給、手当、賞与等のうち対象とする賃金項目を特定した上で行い、基本給又は決まって毎月支払われる手当(※基本給)の引上げにより改善を図ることを原則とする。賞与での引上げは対象外です。
・前号の計画に基づく職員の賃金の改善状況について、定期的に地方厚生局長等に報告すること。
・対象職員が常勤換算で2人以上勤務していること。ただし、特定地域に所在する保険医療機関にあっては、当該規定を満たしているものとする。
・主として保険診療等から収入を得る保険医療機関であること。

 

5. まとめ

 

外来・在宅ベースアップ評価料は、初診・再診時に算定できます。対象職員の給与総額の1.2%が外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)でできない場合は、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の算定が可能になります。
対象職員の賃金には役員報酬が除かれていたり、通常の定期昇給や賞与での賃上げが認められていないなど注意しなければならないポイントがいくつもあります。算定する医院は正確な対応が求められます。

 

この記事が今後の医院経営にお役立てできれば幸いでございます。

 

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