“クレーム”と聞くと
頭が痛い院長先生もいらっしゃると思いますが、
クレームを言う患者さんは二種類に分けることができます。

それは“クレーマー”“クレーム患者”です。

 

「あの患者さんは文句ばっかり言う“クレーマー”だね。」

と言う院長先生もいらっしゃいますが、
文句を言う人=クレーマーではありません。

 

ご理解いただきたいことですが、クレーマーは患者さんではありませんが、
クレーム患者は“大切な患者さん”です。

 

クレーマーは文句を言うことを目的にし、
初めからクレームをつけるつもりで来院し、
すぐに謝罪と賠償を求めてきますので、“あたり屋”のような人です。

一方、クレーム患者さんは
本来私たちの医院で治療を目的とした普通の患者さんだったはずです。

 

しかし、スタッフや先生の接遇や対応など何かしらが原因で怒り、
文句を言うクレーム患者さんに変わってしまったのです。

 

一般的に“クレーム対応”というのは患者さんに
時間をかけてよく話を聞いてあげるのが解決方法です。

特に口数の多いクレーム患者さんは他の医院でも同じように口数が多く、
煙たがられている可能性があり、お話にお付き合いしてあげるだけで、
思った以上に満足することもあります。

 

しかし、
クレームを直接医院に言う患者さんはごく一部であり、“氷山の一角”だ
ということを認識していただきたいのです。

医院に来院する患者さんの中にはクレームや不満を言いたくても
言えない患者さんが多数いるということです。

 

 


 

 

このような潜在化した“クレーム”や“不満”を顕在化してくれるのが
患者アンケートです。

患者アンケートは再診、再初診の患者さんに記入していただく
無記名のアンケートで、受付で直接患者さんに渡すことで、
診察までの待ち時間に記載していただくことができます。

アンケートの回収方法は受付に直接渡していただくようにすると
内容が分かってしまうため、本音を書くことが難しくなりますので、
受付にアンケート回収ボックスを作成するのが最善です。

 

質問の内容は

  • 来院経路
  • 通院していただいている理由
  • 院長先生やスタッフに対する良い点と悪い点
  • 医院に対する不満

などが一般的です。

 

やはり患者さんからの“声”というのは重要な気づきを与えてくれます。

繰り返しアンケートを実施し、
小まめに改善をすることで未然に“クレーム”を防ぐこともできますし、
患者満足度の向上に繋がっていきます。

 

前述したクレーム患者さんであれば、医院で対応できるのですが、
一番の問題点は、クレームを医院には伝えない患者さんが友達や近所に
不満を話してしまうこと
です。

つまり“クレーム”や“不満”というのは、
医院に伝わった時は改善の仕様がありますが、
伝わらなかった時は悪い口コミとしてマイナスに作用してしまいますので、
改善するに越したことはありません。

 

潜在化している“クレーム”や“不満”を改善することで、
今後の医院の発展に繋げていただければ幸いです。