今や「口コミ」は消費者の意思決定に影響を与える大きな要素になっています。
ネット販売やネット予約が普及し、様々な商品や施設の良し悪しがネット上で検索して判断されるようになりました。

その判断材料として重視されるのが、「口コミ」です。

先生方の中にも、「食べログ」の点数評価を見てお店を探したり、Amazonで他の方の書評を見ながら書籍の購入の是非を決めたりされる方がいらっしゃるかも知れません。

しかし、そのような口コミを見て、実際に店に足を運んだり、書籍を購入したりしたけれども、口コミと大きく隔たりを感じてがっかりされた経験はないでしょうか?

医療に於いてもそれは同じです。

仮に偽の口コミを通じて患者さんが集まっても、患者さんの期待値はかなり高い状態です。

その期待にそぐわない診療(接遇)を提供してしまうと、期待値以下だったとして負の口コミが発生します。増えた患者さんによって負の口コミが増えては元も子もありません。

そもそも、そのような偽の情報を意図的に作り出すことについて、医療機関として正しいのか?をしっかりと考える必要があるでしょう。
先のリスクも考えずに安易に患者集めに走ることは極めて危険であると言わざるを得ません。

口コミ重視の状況下で、実際に自院にできることになりますと、

  • 「厳しい指摘をいただいた口コミ」に対しての院内体制の振り返りを行うことで、再発防止策を講じる
  • 受診状況を調査しても、真実の確証が取れない場合には削除申請を行う
    ※但し、こちらに関しては現状では否認されるケースが多いです。
  • プラスのコメント、マイナスのコメントに関わらず、口コミに対しての返信を行う

といった形で自院の真摯な姿勢を患者さんにPRすることが患者さんの信頼、しいてはプラスの口コミの発生になると考えます。

コンプライアンスというと、医療機関においては医療事故の防止や個人情報保護などの視点が現在では主流です。

しかしそういった「正しい経営」の面でのコンプライアンスにもこれからは注意を払っていただく必要がありそうです。

 

正しい医療、正しい経営が最後には残ると私は信じています。