診療報酬

2022.03.16

電子的保健医療情報活用加算は算定すべき?点数や要件は?マイナンバーは必要?

本記事は「電子的保健医療情報活用加算」の点数や算定要件、算定の是非についてクレドメディカルの志賀が作成した文書です。

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<目次>

  1. 電子的保健医療情報活用加算の点数、算定要件
  2. オンライン資格確認の導入状況
  3. 電子的保健医療情報活用加算は算定すべき?

 

 

1.電子的保健医療情報活用加算の点数、算定要件

 

電子的保健医療情報活用加算は令和4年度診療報酬改定で新設される項目です。

2021年10月より本格運用が開始されたオンライン資格確認に対する評価で、オンライン資格確認の導入をより加速させたいという狙いも見て取れます。

電子的保健医療情報活用加算は、オンライン資格確認システムを通じて患者の各種情報を取得し、

その情報を活用して診療を行った場合に算定することができる加算となります。

 

以下、具体的な点数、算定要件などを中医協資料より抜粋します。

 

■診療報酬
オンライン資格確認システムを通じて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得し、当該情報を活用して診療等を実施することに係る評価を新設する。

(初診時)電子的保健医療情報活用加算 7点
(再診時)電子的保健医療情報活用加算 4点
(外来診療料)電子的保健医療情報活用加算 4点

 

■対象患者

オンライン資格確認システムを活用する保険医療機関を受診した患者

 

■算定要件

別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対して、健康保険法第3条第 13 項に規定する電子資格確認により、当該患者に係る診療情報等を取得した上で診療を行った場合は、

電子的保健医療情報活用加算として、月1回に限りそれぞれ所定点数に加算する。

 

(※)初診の場合であって、健康保険法第3条第 13 項に規定する電子資格確認により、当該患者に係る診療情報等の取得が困難な場合又は他の保険医療機関から当該患者に係る診療情報等の提供を受けた場合等にあっては、令和6年3月 31 日までの間に限り、3点を所定点数に加算する。

 

算定回数は月1回のみで、施設基準としては主にオンライン資格確認に係る掲示がされているか?等が挙げられています。

算定時にポイントになるのは、

オンライン資格確認システムを通じて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得し・活用して診療等を実施したか?です。

 

オンライン資格確認ではマイナンバーカードの利用なしでは患者の薬剤情報・特定健診情報を取得することができません。そのため、初診7点、再診4点の加算はマイナンバーカードを活用した場合のみ対象となり、マインバーを活用しないケースで算定できるのは令和6年3月31日までの時限的措置である初診時の3点のみとなります。

 

オンライン資格確認の運用を開始しているクリニックでもマイナンバーカードを持参してくる患者は月数名しかいないところが多いという状況を勘案すると、4月から実際に算定できる点数の多くは初診時の3点であるということになります。

 

2.オンライン資格確認の導入状況

 

冒頭で、電子的保健医療情報活用加算は”オンライン資格確認の導入をより加速させたいという狙いが見てとれる”と言いましたが、改めてオンライン資格確認の導入状況を確認します。

 

2021年12月1日の社会保障審議会医療保険部会資料(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000860670.pdf)によると、
医科診療所のオンライン資格確認のカードリーダー申込数は39,445件で医科クリニック全体の44.1%が申込をしている状況です。

一方でオンライン資格確認の開始準備が完了したクリニック数は7,722件(8.6%)、運用開始しているクリニック数は4,836件(5.4%)と実際に運用しているクリニックの比率は非常に低い状況です。

 

そういった背景から今回の電子的保健医療情報活用加算は、カードリーダーの申込はした、あるいは準備は完了しているが運用開始していないクリニックが運用開始する、一定の後押しにはなると考えられます。

 

3.電子的保健医療情報活用加算は算定すべき?

 

最後に電子的保健医療情報活用加算は算定すべきかという点についてです。

 

電子的保健医療情報活用加算の新設によって急激に運用数が増加するかには大きく疑念が残りますが、

マイナポイントの付与によるマイナンバーカード取得率が上がっている点なども勘案すると、

オンライン資格確認の利用率は長期的には上昇する可能性が高いと思われます。

 

すでにオンライン資格確認の運用を開始されているクリニックは算定を検討すべきではあると思います。

ただし、電子的保健医療情報活用加算算定、オンライン資格確認運用開始の注意点として下記3点にご留意ください。

 

  1. 患者への説明方法・内容の検討

    点数としては小さく月1回のみの算定ではありますが、患者は負担増となるため適切に説明を行う必要があります。

    ・そもそもどのような加算なのか?

    ・オンライン資格確認を利用することでどのようなメリットがあるのか?

    少なくとも上記2点に対する説明方法や内容は医療事務スタッフ等と擦り合わせしておいた方がいいでしょう。

  2. オンライン資格確認利用に伴う受付業務負担の増加

    オンライン資格確認の運用を開始すると、特に初回登録時など受付スタッフの業務負担が増加することになります。もちろん4月の報酬改定直後から加算取得が開始できることが望ましいですが、診療科目によっては繁忙期と運用開始時期が重なることによるデメリットもあるため、自院の患者数動向などを踏まえた上で開始時期をご検討ください。

  3. オンライン資格確認のシステム面での問題

    オンライン資格確認は2021年10月より本格運用が開始されたばかりの非常に新しいシステムです。

    もちろん各ベンダーは事前に様々な事案を想定してシステムを開発されていると思いますが、それでも本格運用開始後に各クリニックから寄せられる意見等を元にシステムの修正やブラッシュアップが継続して行われていくでしょう。

    そういった意味ではまだ発展途上のシステムですので、加算と手間を天秤にかけて検討する必要もあります。

 

以上、電子的保健医療情報活用加算について解説いたしました。

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