リハビリテーションの日数制限
本記事は「運動器リハビリテーションの日数制限」について、主任経営コンサルタントの石田が医師のために記載した文書です。
より詳しく知りたい先生はこちらからお問い合わせください。
<目次>
1.運動器リハビリは150日を限度とした算定が原則
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して個別療法であるリハビリテーションを行った場合に、当該基準に係る区分に従って、それぞれ発症、手術若しくは急性増悪又は最初に診断された日から150日を限度として所定点数を算定する。
ただし、別に厚生労働大臣が定める患者について、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合その他の別に厚生労働大臣が定める場合には、150日を超えて所定点数を算定することができる。
引用:厚生労働省 診療報酬の算定方法の一部を改正する告示
つまり、リハビリの算定可能期間は、原則として発症・術後・急性増悪・初診日から150日間が上限です。
この期間内であれば、施設基準に基づいた個別療法による運動器リハビリ(Ⅰ:185点、Ⅱ:170点、Ⅲ:85点)が算定可能です。
※厚生労働大臣が定める患者
- 上・下肢の複合損傷、脊椎損傷による四肢麻痺ひその他の急性発症した運動器疾患又は
その手術後の患者 - 関節の変性疾患、関節の炎症性疾患その他の慢性の運動器疾患により、一定程度以上の
運動機能及び日常生活能力の低下を来している患者
2.見落としがちな「起算日」の考え方
リハビリの「150日」は、実際にリハビリを開始した日ではなく、対象となる出来事(発症・手術・診断等)を起点としてカウントされます。
例:運動中に脛骨骨折 → 入院治療(2週間) → 退院後、通院リハビリを開始
この場合、骨折した日が起算日となるため、通院リハビリ開始時点で既に「約130日の算定可能期間」が残っている計算になります。
このように、リハビリ開始が遅れると算定可能日数も短くなるため、治療開始までの経過と起算日の確認は非常に重要です。
3.150日を超えた後も「例外的に算定可能」なケース
注5 注1本文の規定にかかわらず、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって、要介護被保険者等以外のものに対して、必要があってそれぞれ発症、手術若しくは急性増悪又は最初に診断された日から150日を超えてリハビリテーションを行った場合は、1月13単位に限り、算定できるものとする。
引用:厚生労働省 診療報酬の算定方法の一部を改正する告示
つまり、以下の要件に該当する場合は、月13単位を上限にリハビリを継続して算定することが可能です。
<条件>
・厚労大臣が定める患者に該当すること
・要介護被保険者等に該当しないこと(または入院中の要介護者であること)
・引き続きリハビリが必要と医学的に判断されること
4.まとめ
「150日」という上限は一見シンプルなようで、実際の運用では起算日の確認や例外規定の判断が求められます。
特に、整形外科クリニックでは、術後フォローや慢性疾患の患者対応が多いため、この制度を正しく理解する必要があるでしょう。
今後も改定の可能性がある項目ですので、定期的な情報のアップデートと、スタッフ間の情報共有体制の強化が重要です。
本記事が今後の医院経営にお役立てできれば幸いでございます。
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